まずはこの英文を読んでみよう。

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あなたは「どこで区切り」を付けながら読んだだろうか。単語の行列に見えてしまい、意味は単語を頼りにして読んだだけ、になっていないだろうか。

多くの日本人が「区切り」を気にしないまま、英語を学び直そうとしているという。

「学んでいる割に身につかない」と感じている人が少なくないのは、「英語の根本的な仕組み」が分からないまま「単語やフレーズを暗記」しようとしているから、なのだ。

こうした状況から抜け出す鍵は、「暗記を手放して、まず英文の仕組みを理解すること」にある。そう語るのは大手予備校・河合塾で約30年にわたり英語を教えてきた人気講師、松延正一さんだ。

英語が苦手な学生を、難関校に合格させてきた人気講師の近著『線と丸を引くだけで、英語は一気に読めるようになる』(日本実業出版社)から、「大人の最適な英語学習」のコツを聞く。

英語アレルギーの原因はテスト対策

松延さんいわく、英語が苦手な理由は、社会人も高校生も同じだという。

「多くの人にとって、英語は『テストで点を取るためのもの』です。テスト対策は、今も昔も『暗記』が中心。なので、大人になってやり直そうと思っても、多くの人は『まずは単語の覚え直しから』となってしまいます。これでは、スムーズに英語を読むのはもちろん、リスニングや会話には何年やってもたどり着けません」

こうした暗記重視の学習法が、なかなか英語が身につかない原因だと指摘する。

「英文は、『根本的な仕組み』によって成り立っています。日本の英語教育は、この根本的な仕組みを教えないまま、単語、熟語、構文、文法を『暗記』させてしまう傾向があるのです。言ってみれば『総論の理解』ではなく『各論の暗記』から始まってしまう。大人の学び直しで同じことをするのは、何の助けになりません」

では、その根本的な仕組みとはどのようなものなのだろうか。