東海テレビニュースONEでは、シリーズで「SNSな人々」をお伝えします。いまや“社会そのもの”といっていいほど私達をとりまいているSNS。そんな時代を「うまく生きる」ヒントをさまざまな人の声から探ります。
ロマンス詐欺や投資詐欺といったSNS を使った詐欺は2024年、被害額が過去最悪となった。なぜ、会ったことのない相手を信じてしまうのか。ロマンス詐欺で390万円を騙し取られたという三重県津市の60代の男性は「ウソかなと思いつつも期待した」と振り返る。
■会ったことがない相手に…ロマンス詐欺の『甘い罠』
恋愛感情に乗じた「ロマンス詐欺」は、近年SNSやマッチングアプリでのやりとりをきっかけに、被害にあうケースが多くなっている。
津市に住む60代の男性はSNSで知り合った相手に、蓄えていた老後の資金を騙し取られた。

被害にあった男性:
ウソかなと思いつつも期待して、信じてしまって(詐欺に)遭ってしまったのが一番の過ちなので。

相手は台湾に住むAyaという女を名乗った。父親は日本人だという。
男性のLINEには「愛してる」などのメッセージとともに、入浴中の写真や添い寝をしているような写真が、連日のように送られてきた。

被害にあった男性:
「お母さんにも話した」「喜んでもらった」とか、お父さんに「今度日本帰るときに紹介したい」とか、いろいろ(気分を)乗せてくるんですよね。
まだ会ったことのないAyaに男性は徐々に惹かれていき、いつしか結婚後のことをやりとりするようになった。

被害にあった男性:
「将来の希望何かありますか?」と聞かれたときに、「こども食堂をやれればいいかな」と言ったんですよ。そしたら「私もそれに協力できるかもしれません」と言われて「一緒にやりませんか?」という形で。
女は、服やバッグなどを扱うオンラインショップの経営を提案してきた。オンラインショップに出品する商品を男性が選び、客から注文が入ると、男性が運営会社に「仕入れ代」を支払い、後日利益とともに戻ってくると説明された。

男性は3回にわたり「仕入れ代」としておよそ38万円を振り込むと、9万円ほどの利益だけが戻ってきた。

その後は振り込んでも一切入金がなく、男性はあわせて390万円を騙しとられた。
■写真で「会ったことがない」のに「会った気に」
なぜ、男性は会ったことがない相手を信じたのか。メッセージだけでなく、写真も送られてきたことが、その一因となったようだ。

Q本当に本人だと思いましたか
被害にあった男性:
全く思わなかったことはないけど、信じたという感じ。
Q写真があることで会った気になりましたか
被害にあった男性:
悪いイメージがなかったから余計そうですね。話が「ウソかも」と思いつつも、期待していた感じかな。
■被害額は過去最悪に…有名人かたった”投資詐欺“も
警察庁によると、SNSを使ったロマンス詐欺の被害額は、2024年の1年間でおよそ397億円と前年の2倍以上に急増した。
さらに、池上彰さんや前澤友作さんといった有名人をかたるなどして、投資に勧誘し現金を騙しとる「SNS型投資詐欺」も、2024年の被害額はおよそ871億円と過去最悪となった。

振り込みの際には周囲に気づかれにくく、ATMよりも上限額が高いネットバンキングを使わせるケースが多くなっている。
2025年2月27日放送
(東海テレビ)