新型コロナウイルスについて、「二次接触者」と呼ばれる人がいることをご存知だろうか?
感染者の周囲にはPCR検査の対象になる濃厚接触者がいる。その「濃厚接触者」と接触した人が「二次接触者」。
この「二次接触者」となり、自粛生活を余儀なくされた高知の女子大学生を取材した。
二次接触者として1週間の自粛生活に
高知大学・野水愛さん:
まず人間って怖いなって。正直だなって…
野水愛さん(22)は、高知大学地域協働学部の4年生。
2020年7月、新型コロナの二次接触者であると告げられ、突然 1週間の自粛生活を強いられた。
二次接触者とは「濃厚接触者と濃厚に接触をした人」で、保健所の定める濃厚接触者と異なり、PCR検査の必要はない。
しかし、所属する団体から自粛を求められるケースがある。今回 野水さんも、二次接触者として大学から1週間の自粛を要請された。
高知大学・野水愛さん:
体も動かさないし、不安の方が多かった。食欲もなくて…
好きなスポーツを通して地域を盛り上げようと、新潟から高知大学に入学。3年半、高知ファイティングドッグスのボランティアスタッフとしてチームに関わっている。
しかし…
高知FD 武政重和社長:
高知FDから、新型コロナウイルスの陽性の選手が1名出てしまいました
2020年7月、選手の1人が新型コロナに感染。その濃厚接触者である球団職員と一緒に活動をしていた野水さんは、突如 1週間の自粛を強いられた。
1人暮らしのアパートで、読書やレポートを書く毎日…
そんな時、普段は個人的なやり取りのない大学の事務員から「どうか気分を害すことなく、落ち込むことなく、お過ごしくださいね」と励ましの連絡を貰った。
高知大学・野水愛さん:
こうやって、丁寧にケアをしてくださるのがありがたかった。嬉しいというか、心がホッとする、1人じゃないなって
SNSではチームに対して中傷も…
しかしSNS上では、感染者の出た高知ファイティングドッグスに対して「大阪に帰省したかったのに、誰かさんのせいでまた帰れなくなった」「選手の意識が低い」など心無い言葉も…
高知大学・野水愛さん:
いい噂はなかなか広がらないけど、悪い噂は肉付けされて、一気に広まるので…
野水さん自身、友人から送られてきた感染を心配するラインの軽い言葉で傷つくこともあった。
高知大学・野水愛さん:
こっちがシビアになっているので、相手側が冗談でも、なかなかそのまま受け取れない
友人や両親が心の支えに
心無い言葉や感染への不安から野水さんを救ったのは、心配した友人が自宅の自転車のかごに届けてくれたゼリーやジュースだった。
気分が落ち込み、食事を口にすることができない中、友人の助けは大きな支えだったと言う。
高知大学・野水愛さん:
ゼリーとか液体でなんとか生きてるというか…
1人で過ごす1週間は長く、重いものだった。
高知県内で新型コロナの感染者数は、9月2日までで129人、死者は3人。県によると、正確なデータは無いものの、濃厚接触者は感染者1人につき5人程度、その周りの二次接触者はさらに多いとされている。
自粛中、22回目の誕生日を迎えた野水さん。新潟の両親から電話があった。
高知大学・野水愛さん:
あんたが普通に元気でいるのが一番だからって…
「二次接触者」として自宅で過ごした1週間。野水さんには伝えたいことがある。
高知大学・野水愛さん:
接触した人に安心を与えることが必要。自分がどういう行動をとったか、できるだけ記録に残しておいた方がいい
(高知さんさんテレビ)