トランプ大統領は平和賞に値する人物か
この記事の画像(6枚)安倍首相はたぶん、 「なんでバラすんだよ!オフレコの約束だろ」だと思ったに違いない。 トランプ米大統領は安倍さんが内緒でノーベル平和賞に推薦してくれたことを、 公表してしまった。 ま、オフレコを守らない奴はどこにでもいる。
問題はトランプが平和賞受賞に値する人物であるか、ということだ。 国民民主党の玉木代表は国会で、 「拉致も核も何ら解決していない。首相の北朝鮮への認識は甘い」と、 安倍さんを批判した。
でも玉木さん、あなた、東アジアの核をなくすために何かしました? 少なくともトランプは動機はどうあれ、行動はしてる。 金正恩と会ったり、脅したりすかしたり。 確かに北朝鮮の核問題はまだ解決していない。 ただこの核廃棄の動きは、良くも悪くももう後戻りできなくなっている。 トランプはたぶん来年再選される。 完全ではなくても、核放棄は進まざるをえないのだ。
もちろん北は核のすべてを廃棄することはしないだろう。 つまり米朝のディールは日本にとって納得できる結末ではないのだが、世界の軍事リスクが大幅に下がることは事実なのだ。
オバマ前大統領は平和賞に値する人物か
僕は個人的にはトランプに平和賞を与えるべきではないと思う。
でも、ノーベル平和賞を受賞したオバマは何をしたか。 彼は「核をなくす」という感動的な演説を一度しただけだ。 日本に2度核爆弾を投下し20万人以上を殺した国の大統領が 「核をなくす」と言っただけで平和賞をもらった。
あの時に、ノーベル平和賞というのは口先だけでももらえる不思議な賞なのだな、とわかった。 その程度の賞、と言っていいのかもしれぬ。 他の賞に比べ平和賞だけが妙に政治的なのだ。
オバマに比べれば、少なくとも北朝鮮のミサイル発射や核実験を、 今はストップさせているトランプの方がはるかに評価できる。 オバマにあげるくらいならトランプにもあげたら?
口で平和を言うのは簡単だ。 何千回でも言える。 でも本当の平和をつかむためには、 銃口を相手に向けて脅したり、 時には相手を殺さなければいけない。
今はまだ早いかもしれないが、 北朝鮮が本当に目に見える形で核廃棄を始めれば、 トランプは本当に平和賞の候補になるかもしれない。