公園などの樹木を伐採から守ろうと、2024年から始まった東京都のツリーバンク制度の現場をメディアで初めて現地取材しました。
東京都調布市にある都立 神代植物公園。
公園のなかでも、人通りの少ない場所に、ツリーバンクと書かれた小さな看板があった。担当の職員に鍵を開けてもらってツリーバンクの中に入る。テニスコートが4面くらいは入るだろうか、そのくらいの敷地に木が4本植えられていた。
ツリーバンクは、東京都が2024年1月から始めた、樹木を伐採から守るための制度だ。
都立公園などで改修工事などが行われると、樹木によっては伐採されることになるので、なんとか切らずに、次の移植先が決まるまで一時的に預かる場所として使われている。
担当によると、都立公園の場合は、まずは同じ公園内で移植先を探す、ない場合は近くの公園で探す、それでも見つからない場合に、最後の受け皿としてツリーバンクが使われているという。
現在、ツリーバンクにあるのは、イロハモミジ、ヤマモモ、ケヤキ、マテバシイの4本だ。3本は、青山葬儀所から、もう1本は、代々木公園から運ばれてきた。
毎月目視で健康状態がチェックされていて、取材した日は、幹巻きなど寒さ対策が施されていた。
最大で30本程度を一度に収容できるということだが、残念ながら現在は、都立公園など都が所管する敷地の樹木のみが対象となっているそうだ。
民間による再開発で移植が可能な樹木が伐採されるケースもあるなかで、今後対象を民間に広げたり、ツリーバンクの用地を拡張することも検討が必要ではないだろうか。