引退が近づいている熊本市電の『5014号車』と呼ばれる車両。2月22日に最後の運行を迎えることになっていて、別れを惜しむファンの声も聞かれた。
熊本市電で1番の『推し電』引退へ
2月18日午前6時半、その車両は出発を前に上熊本で待機していた。

5014号車は、今から68年前の1957年(昭和32)に製造された。その後、熊本市交通局が1978年(昭和53)に福岡市の西日本鉄道から譲り受け、以降47年にわたって熊本の街を走っている。

5014号車は2両が連なっている車両で、130人が乗れる収容力が特長。現在は朝の1往復で運行されている。

熊本市が保有する車両の平均定員72人に対し、5014号車は130人と通勤通学のラッシュ時、特にその力を発揮してきた。しかし2025年2月に運行終了が発表された。

熊本市交通局・上熊本車両工場の岩下龍郎技工長は「部品の入手が困難となり、車検をクリアできないため、今回の車検切れをもって引退するということになった。もう少し頑張ってほしかったが、残念な気持ちです」と話す。

2024年、熊本市交通局が行った『推し電総選挙』でファン投票1位に輝いた人気の車両だが、必要な部品が入手できなくなったとして、車検満了日の2月22日で運行を終えることになった。
5014号車のラストランは2月22日
乗客は「よく頑張っているという感じ。残念だけども仕方がないかな」と話し、5014号車を撮影に来た鉄道ファンは「この1本しか走らないので朝早起きして来ました。大きい車両ということで〈市電のお父さん〉みたいな感じなので、自分の父がいなくなるような寂しさですね」と話した。

ファンの多い5014号車、朝、上熊本から健軍町までを1往復する通常運行は2月19日まで。20日から最終日22日までは『特別運行』として複数便の運行が予定されている。

昭和、平成、令和と多くの人を力強く運び続けた5014号車、〈最後の時〉が近づいている。
(テレビ熊本)