沖縄県内には、公立の小中学校とは異なる学びの場として、フリースクールや子どもの居場所がある。

民間で運営される施設は様々な課題を抱えているが、その魅力を多くの人に知ってもらおうと取り組む。なぜ今連携が求められるのか取材した。

フリースクールを選ぶ理由

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思い思いの出し物をする子ども達、彼らが学ぶ場所として選んだのがフリースクールや子どもの居場所だ。

珊瑚舎スコーレ 八ツ本真衣さん:
私たちは学力は内申点や偏差値ではなく“学ぶことを楽しむ”時間だと考えています

2025年1月、西原町に集まったのは子どもの居場所づくりに取り組む人々。

前年10月に「沖縄フリースクール居場所等運営者連絡協議会」を発足してから初めてフォーラムを開き現状や課題を共有した。

多様なまなびフリースクールまるまるがっこう 牛木克彦さん:
ありのままでいることも良いと思います。ただ、そのままで良いとは思っていません。学び続けて大人になり社会に出ていくためには、やはりさまざまなことを学んでほしいと思います

今後、より良い支援制度をつくるため、学校や行政への働きかけも進めていこうとしている。

沖縄フリースクール居場所等運営者連絡協議会 西山哲平 代表:
こうした連絡協議会を立ち上げるという旗を掲げたら皆さんから「待っていました」とか、同じようなことを考えていたという声をいただき、多くの方々が集まってくださいました。現在、27の団体となりとても嬉しく思っています

知ってもらうために企画した「子ども屋台村」

それぞれ活動していた団体が一堂に集まり、ひとつのイベントを作り上げることでより多くの人にフリースクールの存在を知ってもらうねらいがある。

沖縄フリースクール居場所等運営者連絡協議会 西山哲平 代表:
自分に合った学びの場や居場所を見つけ、そこでのびのびと過ごしながら成長している子どもたちの姿を子ども屋台村を通して感じていただければと思います。お客さんとして子どもたちとやり取りする中でその様子を実感してもらえたらうれしいです

凌明さん(12歳):
ここだけカラフルにして、ペイントの雰囲気を出したいなと思います。お客さんが喜んで楽しんでくれたら嬉しいです

「デモクラティックスクール みんと」に通うのは、小学3年生から中学3年生までの10人。

「みんと」では日頃から子どもたちのやりたいことを大切にし、話し合いでルールや物事を決めている。

駿和さん(14歳):
火曜日にミーティングを行っているのですが、そこで話し合ってこの案にするか、ほかにもいくつか出た案と合わせて検討しました。最終的にまとめて雑貨屋にしようということになりました

屋台ではブレスレットなどの雑貨の販売とペイント体験を行い会計や宣伝担当も決めた。中心となって取り組む駿和(はやと)さんには伝えたい思いがある。

駿和さん(14歳):
フリースクールというと学校に行けなかった人が通う場所というイメージがありますが、僕はそうではなく2つの選択肢があったときにどちらを選んでもいいという状態にしたいと思っています。しかたなく行く場所ではなく自分で選んで通う場所にしたいですね。がんばります!

駿和さん(14歳)
昨日の夜まで作っていました。がんばります! 売れるといいですね

駿和さんは、手作りしたブレスレットを自ら販売した。

駿和さん(14歳):
売れましたね。やっぱりうれしいです。頑張って作ったものを買ってもらえるのは、とてもありがたいですね

ブレスレットを購入した男の子:
かっこよかったので買いました。値段も思ったより安かったので決めました

お客さんに積極的にアドバイスをした凌明さん

お客さん:
こんな感じにしたい

凌明さん(12歳):
この色は…黒と、ちょっと黄色と赤を混ぜると茶色が作れます

ペイント体験をしたお客さんは…
「自分なりの意見を出し合ってこういう出し物を作っているのが素敵だなと思いました」
「すごく生き生きしているのでこういうのもありなのだなと感じました」

自分らしくいられる場所で日々学んでいるからこそ、それぞれの良いところを発揮することができた。

ブレスレットを購入した男性:
子どもたちが頑張っているので買いたいなと思い応援したいと思いました。子どもたちがワクワクしている姿が何よりも大事だと感じます

あやさん(15歳):
売るのが初めてだったのでドキドキしていましたが少しずつでもこうして売れているのでやりがいを感じています

駿和さん(14歳):
頑張って作ったので、満足そうな顔が見られると、とてもうれしいです。いつか日本を旅したいと思っているのですが、そのときにこれを売りながら回るのも良いのではないかと考えました。今回の経験が、その参考になりました

協議会の発足をきっかけに皆で作り上げた「子ども屋台村」は大成功に終わった。

沖縄フリースクール居場所等運営者連絡協議会 西山哲平 代表:
イベントは大人のフォーラムの続きとして子どもたちの姿を通じて連絡協議会の活動を伝えることが重要な目的でした。その目的が十分に達成できていると感じています。これからも、このエネルギーをもとに次の活動につなげていきたいです

一人ひとりが自分らしく、安心して過ごせるフリースクールや子どもの居場所。

子どもたちの多様な学びを支える場所をより良くしながら守るため、今後も連携の輪を広げていく。

(沖縄テレビ)

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