住宅の門扉の上に不自然に置かれた“石ころ”。
住宅街の一角に置かれた、この石ころを巡って今、付近一帯が警戒を強める事態になっています。

2月10日、「めざまし8」が取材したのは、神戸市のある閑静な住宅街。

取材スタッフ:
警察が今、見回りをしていますね。

門扉に石を置かれた住人:
(石に)気づいたのは初めてやね。こんなところに石があったら、私やっぱり気づくよね。
不審な“石ころ”を置かれた家が相次いで見つかり、警察は、警戒を強める事態になっているのです。一体、何が起きているのでしょうか?

犯罪ジャーナリスト 多田文明氏:
マーキングの可能性は、非常に高いと思います。何かしらの、いわゆる訪問販売だったり、空き巣だったりですね。
“石ころ”でマーキング その意味とは?
“石ころによるマーキング“は、実は空き巣や強盗犯などが、事前の準備として石ころを置いた可能性があるといいます。
最初に石が発見されたのは1月、神戸市垂水区に住む女性からの通報でした。

通報した女性「若い男2人がインターホンを鳴らし、門扉を勝手に開けようとした」
不審に思った女性が門扉などを確認すると、門扉の上やガレージ付近に、1cmから3cmほどの小さな石ころが置かれていたといいます。
その後、警察が周辺の住宅を調べたところ、他の13軒からも、玄関付近に同じような石ころが置かれていたということです。
「めざまし8」が現地を取材すると、他にも石ころを置かれたという住人が…。

自宅に石を置かれた住人:
(石が)きのう夜に帰ってきた時になくて朝あった。何もなかったらいいけど。静かな場所なんで。

自宅に石を置かれた住人:
真ん中に2、3個石が転がっていて。その石そっちに捨てたんで。
――これですか?
その石この辺ないんで全面コンクリートなんで。

犯罪の目印になっている可能性もあるという“石ころ”。

めざまし8は、2024年の末、犯罪ジャーナリストの石原さんと取材をしていました。

犯罪ジャーナリスト 石原行雄氏(2024年12月16日放送より):
これマーキングじゃないですかね。ここにもありますね。これマーキングの可能性高いのではないかと思いますね。
ポストや表札などに記された数字やアルファベットが、住民の家族構成や在宅時間などを記録した「マーキング」の可能性があると報じました。

犯罪ジャーナリストの多田氏によると、この報道直後、ある変化が起きているというのです。
犯罪ジャーナリスト 多田文明氏:
皆さん報道を通じて「マーキングって、あるんだなあ」と思って、自分のポスト見たり、ちょっと玄関周り見たりして、あったあったと言って、多分消されてると思うんです。
常にそうした何か悪いことをしようとする人たちは、注意喚起がされるとその裏をついてくるんですね。
多田氏は、今回の石ころは、表札などの「マーキング」に代わる手口の可能性もあると指摘します。

犯罪ジャーナリスト 多田文明氏:
家の人が入った時に落ちたり、あるいは、気づいたりするところですよね。こんなところに石が落ちてるっていったら、普通払いますからね。
いわゆるそうした石が払われたということは、今家にいる。時間をおいて見た時にずっと置かれてると、「この家はこの時間、割と長時間いないんだな」とか、そうした目印になっている可能性はあると思いますね。

犯罪者に自宅を見張られているかもしれないという恐怖…。実際に、門扉の上に、石ころを置かれた住人は…。
門扉に石を置かれた住人:
(石に)気づいたのは初めてやね。こんなところに石があったら、私やっぱり気づくよね。

こんな石だったらあるやろその辺に、こんなところまで石が飛び上がらないわな。
だから不思議やなって思った。何か起こりそうで嫌。90くらいになっても、夜寝られへんもんね。きょうの夜寝られるかな…。
実は今、「マーキング」の新たな手法が目立ってきているというのです。
――石ころを置く手口は、昔からあったんですか?
犯罪ジャーナリスト 多田文明氏:
この手口は以前からあった手口ではあるんですけど、再燃した理由っていうのは、みなさんマーキングっていうことを知ってきて消すなどの対応をしているので、ごく自然にわからないようにこういった手口に戻ってきたと言えると思います。
“石ころマーキング”の意味は?

①不在時間が分かる
わざと住民に気付かれるところに置き、撤去のタイミングで不在時間を把握する。
⇒1つの石で5時間、2つの石で10時間不在など。
②情報の共有
石ころを目印にして、組織的に情報共有している可能性。
⇒日本語を使わず外国人にも分かりやすい。
――見つけたときはどうしたらいい?
犯罪ジャーナリスト 多田文明氏:
まずは写真を撮ってください。その上で警察に通報して、石を近くに置くと、また使われる可能性がありますので、近くには捨てないほうがいいですね。
最近強盗事件が増えていますので、こうしたことは下調べの兆候なんですね。なにかしらの犯罪行為の。なので、今は警察の方は動いてくれると思いますね。
他にも、マーキングは色々な方法が増えてきているといいます。

「家の前にごみ」 ※多田氏によると
玄関の導線など住人の目に付きやすい所に置き、片付けさせる
⇒住人の出入りなどのチェックに

「玄関に髪の毛」 ※石原氏によると
玄関のドアの上の方に髪の毛を貼り、毛先をドアに挟み込む。
⇒ 開閉があると、毛先が外に出て人の出入りが分かる。

――マーキングにどう対応すればいい?
犯罪ジャーナリスト 多田文明氏:
恐らく石ころを置くのは夜中に置くので、警察に見回ってもらえると助かりますよね。
できることは、だれか気付いた人がまず通報する、近隣に注意喚起するのが重要。
あと、石を置くというのは、車を狙っている可能性もありますので、気をつけていただきたいですね。
今回の神戸市においては、現時点で空き巣被害などは出ていませんが、警察は警戒を呼びかけ、見回りなどを強化しているといいます。
何か気付いたことがありましたら「#9110」、もしくは最寄りの警察署にご相談ください。
(「めざまし8」2月11日放送より)