従来の健康保険証の新規発行が停止されてから2カ月が経った。しかし、その後、全国ではマイナ保険証の利用登録の解除を申請する人が相次ぐなど混乱が続いている。新潟県民はどのように感じているのか。マイナ保険証のその後を取材した。
マイナ保険証は「便利」「使い勝手悪い」 街から様々な声
マイナンバーカードと健康保険証をひもづけた『マイナ保険証』。

健康保険証の新規発行が停止される2024年12月の直前には、カードの申請窓口へ駆け込む人の姿も見られた。
マイナ保険証は、過去の薬などのデータを医師や薬剤師と共有することでスムーズに医療が受けられるほか、手続きなしで高額療養費の限度額を超える支払いが免除されるなどのメリットがある。
厚生労働省によると、2024年10月時点で県内の医療機関や薬局におけるマイナ保険証の利用実績は20.99%と全国で5番目の高さだった。

健康保険証の新規発行が停止されてから2カ月。街の人は、マイナ保険証を使いこなせているか聞いてみた。
便利派:
病院行ったときはマイナでやっている。今までは保険証を出していたのが、「ピッ」とやって終わり。そういう意味では、だいぶ時間も短縮するし、手間暇ないかなと。
便利派:
わりと便利かなと思う。そんなに紙の保険証と変わらない。
新たな制度に理解を示す人が見られる一方、使いづらさを口にする人も。
不便派:
(Q.登録はしたが、紙の保険証も出してと言われた)そう。おかしいと思わない?
(Q.使い勝手は)悪い。
そして、まだ保険証とひもづけていないという人も多くみられた。
使っていない人:
存在があんまり分からない。
使っていない人:
医者に行くときしか使わない。そのためにマイナンバーカードを常に持って歩く必要はないと思う。
マイナ保険証の“利用登録解除”相次ぐ
こうした不安が拭いきれない中、全国で相次いでいるのが、マイナ保険証の利用登録を解除する申請だ。

利用登録を解除すると従来の健康保険証と同じように使える『資格確認書』というカードを受け取ることができ、2024年12月における解除の申請は約3万2000件に上っている。
立憲民主党が『保険証復活法案』を提出
こうした中、立憲民主党は従来の保険証の廃止は時期尚早だとして、マイナ保険証と併用できるようにする『保険証復活法案』を1月、衆議院に単独提出した。

立憲民主党の西村智奈美衆院議員は「私たちは、医療のデジタル化は必要だと思っている。そのときに、マイナ保険証を国民全員が持たなければできないことなのか、私は、それは違うと思っていて、選択肢を増やすという意味でも紙の保険証を復活させることを提案している」と話した。
『保険証復活法案』が提出されたことに対し、1月に平デジタル大臣は「資格確認書の発行や広報により、政府としては比較的順調に進捗している。大きな方針の転換は必要ないと認識している」と話している。
議論が深まることで、より私たちの生活に寄り添った制度へとブラッシュアップされることが望まれる。
(NST新潟総合テレビ)