アライグマによる農業被害に地元の猟友会や専門家は…

アニメで有名なあの動物。アニメの中ではかわいいのだが、実は、佐賀県内で最近急激に増え、果物を食い荒らすなどの被害が出ている。

佐賀・鹿島市の山の中に仕掛けられたカメラに映る動物の正体は「アライグマ」。

北米原産のアライグマが、この数年、県内で多く目撃されている。

鹿島市猟友会に所属する藤井信博さん(49)と中島久嗣さん(56)。

2人は仕事の合間にわなを使ってイノシシ猟などをしているが、最近異変を感じると言う。

鹿島市猟友会 藤井信博さん:
アライグマはここ2~3年ですね。特に今年は、爆発的に増えているのは数字に出てると思います

1999年ごろ、県内でアライグマの生息が初めて確認されてから、目撃数は増えていき、2018年は県内で1594頭捕獲された。
さらに2019年は2589頭と、1年間で約1000頭も増えている。

アライグマの増加について、長崎バイオパーク 伊藤雅男副園長に聞いた。

長崎バイオパーク 伊藤雅男副園長:
アニメで有名になったんですよね、アライグマは。日本ではペットとしてかなり輸入されて、子どものうちはすごく従順でかわいいんですけど、だんだん性格が荒くなってきて、飼いきれなくなって逃がす人がいたりとか、手先が器用なので、自分で檻を壊したり、開けたりして逃げて、日本の野外に入ってしまった。北部九州はかなりアライグマがいて、何頭いるか想像つかないぐらいいるんじゃないか

捕獲には限界も 「わなは1人30個まで」

イノシシやアライグマなど、野生鳥獣による県内の農作物の被害額は、5年前の約1億8000万円から、2019年は約1億5000万と減っているが、依然として大きな被害が出ていることに変わりはない。

実際にアライグマの被害に遭っている農家は…

鹿島市のミカン農家:
ものすごいですよ。ミカンの木も折れたりするし、わたしの背の高さまで全部食べられたりする

農家の悲鳴を受け、猟友会のメンバーがわなで、アライグマの捕獲を続けているが、限界があるという。

鹿島市猟友会 藤井信博さん:
(わなの数は制度で)1人30個までと決まっている。それ以上増やせないし、増やしたところで見回りや管理が大変。防ぎたいけど、防ぎきれていないのが現状…

猟友会の進む高齢化 若い世代にきっかけ作りを

また、高齢化も深刻。
鹿島市猟友会の会員は60人ほどで、そのうち9割が65歳以上。

わなの確認には、1日10カ所回る日も。
捕獲した動物を運ぶため、体力も必要。

こうした中、若い世代に猟の楽しさを知ってもらうため、藤井さんたちは、きっかけ作りをしている。

鹿島市の山あいに建てられた小屋。
藤井さんたちが猟の拠点にと、土地を無償で借り、手作りした。

鹿島市猟友会 藤井信博さん:
若い子たちでアパートやマンションに住んでる人は、どうしても荷物が置けなかったりとか、そういう問題があるので、荷物とかも置いて、活動しやすい場を提供できれば

小屋ができたことで、若手の猟師にわなの使い方を教えたり、一緒に猟に出たりするなど、年齢を超えた交流が生まれているそう。

鹿島市猟友会 佛坂龍也さん(33):
20代の若い子たちも入ってきて、面白おかしく教えてくれているので。厳しいところは厳しいんですけど、自分の命を守るということもあるのでしっかり頑張っている

鹿島市猟友会 藤井信博さん:
(狩猟をするなら)楽しくないといけない。食べることに興味があって入って来る人、狩りが好きな人、色々いると思う。猟の楽しさを教えてやっていきたい

(サガテレビ)