演出家の宮本亞門さんが4日、白内障の手術をすることを公表した。
近年、スマホやパソコン使用が増えた若年層でも片眼白内障が急増している。
放置すれば、緑内障発作や失明リスクが高まるため、専門家はかゆくても目をこすらないことが大切だと呼びかけている。
「自覚症状ない」人も…白内障で年間150万件以上の手術
4日、演出家の宮本亞門さんは自身のSNSで、「急に手術をすることになりました」と告白した。
その理由は「白内障」だ。

実は「白内障」は高齢者だけでなく、若い世代にも増えている。
その原因は、私たちの生活と切り離せないスマホだ。
5日のテーマは、「スマホ白内障が増加中?ソレってどうなの?」だ。
白内障といえば、一般的に60歳以上の方がかかりやすいといわれる目の病気だ。
日本では、年間150万件以上の手術が行われていて、保険診療で行われる手術の中で一番多いといわれている。

白内障になったことがあるという方に取材した。
80代:
自分で自覚症状はありません。ただ病院の医者にそういうふうに(白内障と)言われて、特に左目にそういう“気”がありますと言われています。実は家内は、(白内障)両目やってるんだよ。見えづらくなって眼科に行ったら、白内障だって言われた。
80代:
20年前に(白内障の)手術しました。かすんでる、物がうっすらベールかぶっているように見える。周りの人の様子を聞いていると、その年齢になると「なるわよ」と言われて、「じゃあ私もそれ(白内障)ね」と気がつきました。
白内障の症状は年齢を重ねることで、目の中の透明な水晶体に濁りが生じ、正しく光を通さない状態をいう。
視界が白っぽく見えたり、通常よりもまぶしく見えるなどの症状が現れる。

ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発する「AR Eye」を見てみると、健康な目で見る場合と比べ、白内障で見る場合には白くかすんだようになり、まったく見え方が違っていた。
スマホ使用者の白内障が増加…若年者は急激に進行するおそれも
青井キャスター:
ーーパックン、どうですか?

スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
全然違いますね。僕はこんなに白くなっていないから大丈夫だと思うんですけど、自覚症状がないだけかもしれないです。自分のお母さんもそうでしたし、僕もスマホをよく使っています。ただ、2024年の健康診断で先生が僕の目を見て大丈夫だと言うんですよ。ですから、自覚症状がなくても健康診断を怠らないことが大事ですね。
青井キャスター:
さらに最近では、スマートフォンやパソコン画面を見る機会が多い若い人の間でも白内障が増えているそうです。ネット上では「スマホ白内障」とも呼ばれ、近年注目を集めています。
眼科の赤星先生に、スマホやパソコンの利用と白内障の関係を伺いました。
日本橋白内障クリニック・赤星隆幸院長:
因果関係はなんとも言えないが、最近パソコンやスマホを使われる方の白内障が増えていることは確かです。両方の目ではなく、片方の目に起こるのが特徴です。スマホをよく使う人で片眼性の白内障が増えているのは、まぎれもない事実です。

青井キャスター:
さらに赤星先生は、若い人の白内障には特徴があると言います。
日本橋白内障クリニック・赤星隆幸院長:
若い人の白内障は急激に進行します。見えづらくなって受診されて、「手術を考えましょう」と言っている1~2週間のうちに、レンズが真っ白になってしまい、緊急手術を受けなくてはいけない患者さんも時々います。
若い人も注意が必要な白内障について、街の人に聞いた。
20代:
パソコン見てる時間が長いし、家でもずっとスマホ見てるので、目は酷使してると思います。怖いですね。日頃、車の運転もするので、事故になると怖いなと思います。

青井キャスター:
スマホ以外にも、アトピー性皮膚炎や花粉症、アレルギー性結膜炎などで目をこすることが原因の1つとして考えられています。白内障を放っておくと、ほかの病気になる可能性もあるといいます。
日本橋白内障クリニック・赤星隆幸院長:
急性緑内障発作を起こして、眼圧により失明することがあります。アトピーの方は、網膜剝離など別の病気を持っていて、それが原因で見えなくなることもあり得ます。
青井キャスター:
手術は片目約10分で終了し、手術費は保険を適用すると約5万円だそうです。赤星先生は予防として、「かゆくても目をこすらないことが大切」だと言います。
気になるという方は、眼科に行ってみてはいかがだろうか。
(「イット!」2月5日放送より)