全国で鳥インフルエンザが猛威を振るっている。今シーズン大分県内では感染は確認されてはいないが、じわじわ卵の価格が上がり”エッグショック”の再来も懸念されている。
県内の状況を取材した。

鳥インフルエンザ 14道県で前年同時期の6倍以上に ”エッグショック”の再来懸念

価格が安定していることから「価格の優等生」とも言われる卵。しかし、今シーズン、鳥インフルエンザが全国で猛威を振るっていてこれまでに、14道県で2024年の同じ時期の6倍以上にあたる47事例を確認。
卵の価格も上昇し、2023年の”エッグショック”の再来が懸念されている。

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ここ2年間の1パック10個入りの卵の平均小売価格の推移では、2023年5月から9月にかけては1パック300円を超える高値となり、いわゆるエッグショックに。シーズン中の鳥インフルの感染拡大が原因だ。
2024年の秋以降鳥インフルの発生とともに卵の価格は上昇を続け1月は269円に、今後の値動きが注目される。

大分県内の養鶏場も緊迫 

今シーズン、九州では宮崎と鹿児島で発生している鳥インフル、県内の養鶏場では気が抜けない状況が続いている。
日出町の鈴木養鶏場では地面に消毒用の石灰がまかれていて、一面白くなっている。そして、入り口のところはネットが張られていて、関係者以外入れないよう徹底されていた。

鈴木養鶏場
鈴木養鶏場

こちらの養鶏場では約20万羽のニワトリを飼育していて、鶏舎の中は関係者以外立ち入り禁止に。
出入りする車両に消毒液を吹きかける対策をしているほか、鶏舎の排気口など野鳥が侵入する危険性のある隙間には、ネットが張り巡らされている。

鈴木養鶏場の鈴木智久社長は「たまたま九州はあんまり出ていないから良いが、今からシーズンなのでどうなるか分からない。どうしても鳥インフルエンザが出ると卵が足りなくなり、相場が上がってしまうので、その辺が厳しい」と語る。

「昔は98円のときも いまはそんな値段で買えなくなった」

鳥インフルの影響はすでに県内でも卵の価格に表れている。
大分市のスーパー「春日浦フードスタジアム」では1月28日、最も安い卵は10個入りで214円。卵の商品全体の平均価格は2024年の秋以降約30円値上がりしている。

春日浦フードスタジアム(大分市)
春日浦フードスタジアム(大分市)

買い物に訪れた客から「安い時、(昔は)98円とかでセールがあったことを覚えている。でもいま、全然そんな値段で買えなくなったな」という声が聞かれた。

こちらのスーパーでは3月末までは現在の価格を維持する予定だが、そうした企業努力も苦しくなってきてるという。

春日浦フードスタジアムの阿部孝政さんは「九州でも徐々に鳥インフルエンザによる卵の相場の上昇の影響というのは出てきている。正直言うとかなり厳しい状況」と話す。
今後県内でもいつ発生するか分からない鳥インフルエンザ。卵の価格高騰も先行きが見えず家計にとって、心配な状況は続きそうだ。

(テレビ大分)

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