長野市の中心市街地に「県内最大級」となる267戸の分譲マンションの建設が進められている。不動産大手の東京建物とマンション事業を手掛ける穴吹興産が、中央通り沿いの「アゲイン」跡地を取得し、1月6日に着工した。地上15階建ての2棟からなる大規模プロジェクトは、ファミリー層をターゲットにしており、中心市街地の活性化への期待が高まる一方で、人口減少を懸念する声も聞かれる。
県内最大級267戸の巨大マンション
長野市の中央通り沿いの「アゲイン」跡地で、分譲マンションの建設工事の安全祈願式が行われた。
建物は地上15階建てで、中央通り沿いの「イースト棟」と「センター棟」の2つからなる。
総戸数は県内最大級の267戸だ。
ファミリー層取り込みへ3LDKメイン
ファミリー層を取り込むため、3LDKの部屋をメインとしている。また、1階部分には店舗向けのスペースも設けられる。

東京建物・住宅事業第一部の大橋利安部長は、「長野県、長野市の人もそうですし、地縁のある人のニーズも得られると認識しているので、これだけの戸数があっても需要はあると事業は考えている」と述べた。
街の活性化に期待の声
中央通りでは、駅前の末広町交差点付近でもマンションを含む大規模な再開発が計画されている。
街の人からは、中心市街地の人口が増え、活性化につながることを期待する声が聞かれた。

ある市民は「前と比べて、さびれてきちゃった感じがあるので活気が出ると思う」と話し、須坂市から来た人は「新しい建物が建ったほうがうれしい。人が増えると飲食店の人も助かるんじゃないか」と期待を寄せた。
人口減少への懸念も
一方で、心配の声も上がっている。ある市民は「最近の人口減少に伴って、人の出入りが少なくなって、ただ建物だけできて、ちっとも街の活性化に役立たないもんじゃ、つくっても価値がないような気がする」と懸念を示した。

これに対し、東京建物の大橋部長は「地域の皆さんが良い建物ができたと感じてもらう複合マンションにすべく誠心誠意、事業を進めたい」と語った。
マンションは、2027年12月下旬の完成を見込んでいる。
(長野放送)