発生3日目を迎えた埼玉・八潮市の道路陥没事故。

56時間経過した時点で、男性運転手(74)の救出活動は難航しており、穴の中に取り残されたまま。「下水道使用制限」も12市町120万人に及び、市民生活への影響も深刻な状況になっている。先の見えない状況はいつまで続くのかーー。
トラックの運転席は上空からは見えず、救助活動も難航
穴の中にはアスファルトとコンクリート製のものが多く散乱し、トラックの運転席は上空から全く確認することができない。

救助の障害となっているのは二次災害の恐れ。
現場では、事故発生以降も2度、大きな陥没が起きている。

1つになった穴の直径は、現在20メートルほど。

写真を比較すると、発生初日の28日から、日を追うごとに穴が巨大化してきたことが分かる。
「下水道使用制限」八潮市だけでなく12市町、120万人に影響
状況の改善が見られない現状に、避難中の周辺住民は不安を隠せない。
避難住民:
50年八潮に住んでいるけど、こういうことは初めて。とにかく長引かないことを願うばかりなんです。

市民生活への影響は深刻で、30日午後1時前、陥没事故を受けて、付近の住宅ではガスが使えなくなっている箇所があるということで、急きょ自治体から要請を受けた業者によるガス管の仮設工事が行われ始めた。
30日、八潮市で取材した住民は自宅での入浴を断念し、隣の草加市にあるスーパー銭湯を使用する予定だという。
八潮市民:
八潮市の人は無料で開放しますっていう連絡があったので、そちらを活用しようかという話で。

現場の下水道管も破損しているため、周辺住民などに対しては、洗濯や風呂などでの水の使用をなるべく控えるよう呼びかけられたままだ。

今回の下水などの使用制限。
破損した箇所が、各地から集まった下水が集まる場所にあるため、八潮市だけではなく12市町、120万人にも影響が及んでいる。
「メニューを限定して」ラーメン店にも深刻な影響
八潮市内にあるラーメン店では、洗い物を最小限にするために知恵を絞っていた。

ラーメン平安 店主・穐山学さん:
メニューを限定して、なるべく下水に流さない。(Q.休止するメニューは?)炒め物全般です。あとは味噌ラーメンやマーボー麺など。これなんかいい例ですけど、(鍋に)くっついているものに関しては、やはり洗って(下水に)流す感じになる。
下水をなるべく出さないよう、メニューをチャーハンやギョーザなど、わずか2割ほどに限定している。
そして、さらに頭を悩ませているのが水だ。
薄く黄色がかっているように見える、コップの水。
事故に伴い、飲み水などに使う水道管も一時、停止の作業が行われた影響で濁り水が発生した。
店では、停止作業で濁る前にくみ置きしたものを料理や飲み水などに使っているという。
ラーメン平安 店主・穐山学さん:
大影響じゃないですか。とりあえず出してみて(この後)収まればいいけど。
気になる救助活動について、消防は、穴の内部にある大量のがれきなどを重機で撤去しながら作業を進める考えだ。
(「イット!」 1月30日放送)