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知人男性をハンマーで殴り殺害…現金約120万円を奪った小倉一夫被告(72)に“無期懲役”判決 新潟地裁「動機・経緯にくむべき点は一切ない」|FNNプライムオンライン
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知人男性をハンマーで殴り殺害…現金約120万円を奪った小倉一夫被告(72)に“無期懲役”判決 新潟地裁「動機・経緯にくむべき点は一切ない」

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2023年、新潟県上越市で自営業の男性を殺害し、現金約120万円を持ち去った強盗殺人などの罪に問われている男の裁判員裁判が1月22日結審した。検察側が無期懲役を求刑し、一方の弁護側は15年の有期刑を求める中、1月29日の判決公判で、新潟地裁は「動機や経緯にくむべき点は一切ない」として無期懲役判決を言い渡した。

「極めて不自然不合理で考えられない」

強盗殺人、住居侵入、窃盗の罪で起訴されている長野県上田市の無職・小倉一夫被告(72)。

小倉一夫 被告
小倉一夫 被告
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起訴状などによると、小倉被告は2023年6月、上越市の自営業・中村礼治さん(62)をハンマーで複数回殴って殺害し、現金約120万円の入ったバッグを持ち去ったほか、2023年4月にも中村さんの自宅に侵入し、現金約26万円を盗んだ罪に問われている。

初公判で金銭目的の暴行ではなかったと強盗殺人についてのみ否認した小倉被告の裁判は、この強盗殺人の罪が成立するかどうかと量刑が争点となった。

新潟地裁
新潟地裁

1月22日に開かれた論告で、検察側はこれまで示された証拠や証言を踏まえた上で…

検察:
経験則上、途中でそれまで考えてもいなかった財物奪取の意思が生じたなら、躊躇や手間取りなどが生じるのが自然。しかし、帰宅直後の被害者をすぐさま襲撃し、わずか約3分で犯行を完遂する。しかも車内の物色のほか、室内にも侵入するという躊躇のなさ、手際の良さからすると、最初の暴行後に急遽、財物奪取の意思が生じた者の行動とは到底考えられず、当初から強盗することを考えたことが推認される。

さらに、最初の約1分間にわたる暴行から約50秒後に助手席のドアを開けて、わずか約8秒でバッグをとり、その後にまだ生きていた中村さんを追加で殴るも死亡確認せずに現場から逃走したのは“不自然”だと指摘する。

検察:
弁護人は「各暴行時点で殺害意思しかなく、財物奪取の意思は全くなかった」と主張しているが、暴行開始わずか約2分後に財物奪取を思いつくというのは、あまりに唐突で不自然であり、暴行開始の時点で財物奪取の意思があったとしか考えられない。また、殺害のみを目的としていた人間が殺害を遂げる前に、生存している可能性のある中村さんを放置して財物奪取行為に及ぶことは極めて不自然不合理で考えられない。さらに、現に財物奪取行為を行った者が、そのわずか2秒後に財物奪取と全く切り離して中村さんを殴打するのも不自然・不合理で考えられない。

犯行態様だけでも、暴行の際に財物奪取の意思があったことが認定できると主張した。

また、小倉被告が家賃などの滞納や中村さんが多額の現金を所持していたことを知っていたことからも「早急に金を得る必要に迫られた小倉被告が、当初から車内の財物や中村さんの所持金を奪取する目的で中村さんの自宅に行ったことがより一層明らかであり、それ以外に合理的な説明はつかない」と犯行の全体像からも金品を奪う意思があったことが推認できると訴えた。

検察側は無期懲役を求刑

検察は、さらに小倉被告のこれまでの弁解についても信用性は全くないと話す。

検察:
小倉被告は「被害者を殴った目的は覚えていない」と供述するだけで、財物奪取意思の存在について記憶ベースでは明確に肯定も否定もしていない。仮に被告人供述を前提にしても、暴行時における財物奪取意思を明確に否定する事実は導かれない。

関連記事:【被告人質問】知人男性をハンマーで殴り殺害して現金120万円を奪った“強盗殺人罪”に問われている小倉一夫被告(72)後悔の思い語るも「覚えていない、分からない」繰り返す

そして、量刑については、中村さんを殺して金を奪うために犯行に及んだ動機は極めて身勝手かつ利欲的で酌量の余地はないと説明。

犯行態様も極めて悪質としたうえで、遺族の処罰感情が峻烈だと訴える。

検察:
中村さんの妻は「少なくとも一生刑務所から出てきてほしくないし、できれば死刑にしてほしい」と話している。犯行態様の無残さや落ち度のない被害者の命が奪われたあげく、大金も奪われたことなどからすると遺族のこうした厳しい処罰感情は当然。

そして…

検察:
酌量の余地はなく、捜査・公判を通じて反省の態度は見られない。よって被告人への「無期懲役」を求刑します。

弁護側「15年の有期刑が相当」

続いて弁護側は、小倉被告は中村さんのバッグがどこに置いてあるか知らず、車のドアを開けた際に車内灯がついたことでバッグの存在に初めて気付いて持ち去ろうとしただけで、計画性はなかったと改めて主張。

事件現場
事件現場

暴行に至った背景にはさまざまな事情から自暴自棄になってしまった小倉被告の心情があると訴えた。

弁護人:
小倉被告がかつて暴力団だったことから父親以外の親族とは疎遠になっていた中で、2022年に父親が死亡したことで孤独になった。将来への不安や中村さんの仕事が順調なことへの嫉妬や不満など様々な感情が入り交じったことで自暴自棄になり、突発的に犯罪を行ってしまうことも否定できない。

また、量刑について小倉さんの犯行動機は自暴自棄になって行った突発的なもので、計画的ではないと説明。

さらに、中村さんへの謝罪文を書いているほか、毎日手を合わせて写経をし、中村さんの冥福を祈っているなど逮捕後の行動は反省を示しているとも話した。

弁護人:
今回の事件では強盗殺人罪は成立せず、殺人と窃盗罪が適用されるべき。合計146万円を盗み、中村さんを殺害したことは強い非難の逃れようがないが、無期懲役ではなく、15年の有期刑が相当。

最終陳述「恐怖を与えてしまった」

公判の最後に、新潟地裁の小林謙介裁判長から「何か言いたいことはないか?」と問われた小倉被告。

まっすぐ前を向いて淡々と謝罪の言葉を述べた。

小倉一夫 被告:
私の犯した犯罪で近隣住民や世間の皆様をお騒がせし、恐怖を与えてしまったことを深くお詫び申しあげます。

迎えた判決公判新潟地裁の判断は?

1月29日に迎えた判決公判。新潟地裁の小林謙介裁判長が下したのは…

小林謙介 裁判長:
主文、被告人を無期懲役に処する

小林謙介 裁判長
小林謙介 裁判長

検察が求刑していた「無期懲役」の判決だった。

小林裁判長は判決理由を述べるとともに、小倉被告が強盗殺人事件時の記憶があいまいで、金品を奪う意思があったことを否定し、殺意についても明確には認めていなかったことについて触れ、殺意の有無についての判断理由を示した。

小林謙介 裁判長:
中村さんの頭部をめがけて複数回にわたり殴打しただけでなく、陥没骨折を生じさせるほどの強さで殴打したものであり、相当強い力で殴打したことも認められる。小倉被告は、中村さんの死の結果が発生する危険性の高い行為を繰り返し行ったものであることが明らかであり、死の結果を認識し、認容したものといえ、殺意が優に認められる。

さらに、暴行時に金品を奪う意思を有していたかについては…

小林謙介 裁判長:
一連の暴行と財物の奪取は、中村さんが悲鳴を上げてから、わずか2分6秒の間に行われたものである。小倉被告は暴行後、わずか約50秒後には車内を物色しており、その間、被告人が車内の財物のうち、特に本件バッグの奪取の決意をするような契機はなかった以上、小倉被告が暴行時からすでに車内の本件バッグを奪取する目的を有していたことが強く推認される。

そして、これまで「金品を奪う意思はなかった」と述べてきた小倉被告や弁護人の主張についても反論した。

小林謙介 裁判長:
過去一度も中村さんの自宅で商品を売ったことはない小倉被告が、本件当日になって急に自宅に商品を売りに行くことを着想し、中村さんに連絡することもなく向かったというのはあまりに唐突で不自然である。小倉被告が中村さんの自宅から約917mもの離れた場所に運転してきた車を駐車し、手袋等を用意して向かったことも単なる取引を前提としたものとは考えがたい。また、小倉被告は精神障害があるものでもなく、犯行時の記憶が全くないというのも不自然というほかない上、公判供述においてさえ、犯行時の記憶について変遷がある。被告人の供述は信用しがたい。

そして、被告人には殺意および金品を奪う意思を有していたことが認められ、被告人には強盗殺人罪が成立すると認定した。

量刑については…

小林謙介 裁判長:
自身の経済的な困窮から逃れるため、中村さんの自宅から現金を盗んだり、財物を強取等することを企てたり、犯行に用いる手袋やフード付き上衣などを用意するなど、被告人なりに計画的に犯行に及んだもので、その動機や経緯に汲むべき点は一切見当たらない。

こう指摘し、小倉被告が直近10年余りの間、前科がないこと、被害者に宛てた謝罪文を作成していること、結果的に被害者を殺害したことや住居侵入、窃盗事件については事実を認め、反省の弁を述べていることなど小倉被告に有利な事情を考慮しても、酌量減軽することが相当な事案とは到底言えないなど、無期懲役判決を下した理由について説明した。

証言台に立ち、まっすぐ前を向いて判決理由を聞いていた小倉被告。

弁護側は「本人と協議してから控訴するか検討する」としている。

(NST新潟総合テレビ)

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