半世紀近く地域に愛されてきた『イトーヨーカドー丸大新潟店』が1月26日、その歴史に幕を下ろした。地域を支え続けた店舗の最後の一日には涙と感謝があふれていた。丸大新潟店は今後、ロピアなどを展開するOICグループが事業を承継し、『CiiNA CiiNA』として生まれ変わる予定だ。
営業最終日 閉店惜しむ人でにぎわう
1月26日、営業最終日を迎えたのは、新潟市中央区本町にあるイトーヨーカドー丸大新潟店だ。

開店して2時間ほどで既に商品が売り切れている棚も多くあり、店内は品物を探し求める人でにぎわっていた。
“売りつくし”という紙が至る所に貼られた店内には、朝から絶えることなくお客が訪れていた。訪れた常連客は「最後に店内を見て思い出を最後に残して帰りたい」と話した。
新潟市中央区本町通りに1978年にオープンしたイトーヨーカドー丸大新潟店。生活用品から食料品まで豊富な品揃えで近隣住民の生活を支えてきた。
館内放送では…
「お客様の普段の生活からハレの日まで、皆様の生活の一部になれましたこと、大変光栄に思います」
この館内放送を聞いた女性は「ただただ寂しい。さっきも店長さんの挨拶が館内放送で流れていて、1人で中で泣いた」と涙を流しながら話した。

経営立て直しのため、他社への事業承継の道を選んだイトーヨーカ堂。
半世紀近くにわたり歩んだその道のりが地域と共にあったことは、店内に設置されたメッセージボードが証明していた。

訪れた人は「昔からおじいちゃん・おばあちゃんに連れて来られて、思い入れ深い場所」「よくお母さんに連れてきてもらってレストランに行ったり、お菓子とか買ってもらったりした」と思い出を語る。
中には元従業員の姿も見られた。
「19年1カ月働いた。悲しい、とても悲しいけれど、ありがとうの気持ちを伝えたくて来た」
地域に愛された店舗 46年の歴史に幕…
そして、迎えた閉店のとき…多くの人が最後の瞬間を目に焼き付けようと集まっていた。

訪れた人を前に竹内敦彦店長は「46年間のご愛顧、誠にありがとうございました」と話すと、ゆっくりとシャッターが降り始める。竹内店長など従業員はシャッターが閉まり切るまで手を振り、感謝を伝えていた。
最後の瞬間を見守った人は「もう丸大がなくなるのがとても悲しい」「古町が閑散となっても、丸大がいたお陰でにぎわってきたから、それがなくなるとなると涙が出る」と閉店を惜しんだ。

地域に愛された店舗がまた一つその歴史に幕を下ろした。
今後は人気スーパー・ロピアなどを展開するOICグループが事業を承継。今年夏ごろ『CiiNA CiiNA』として生まれ変わり、春にはロピアがオープンする予定だ。
(NST新潟総合テレビ)