街なかの移動には自転車が便利だが、駐輪場探しが大変だったり、車道を走るのが怖いという声をよく聞く。広島市では、歩道上の駐輪場や、平和大通りに自転車専用道をつくるなど「自転車で出かけやすい街」への整備が進む。

中心部の歩道に“30分無料”の駐輪場

広島市中区の本通り近くで新たに整備された駐輪場が注目を集めている。

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従来、駐輪場は建物内に設置されることが一般的だったが、今回は歩道上に駐輪ラックを設置。ラック1台分あたり広島市が3万円の補助を出し、民間事業者が整備を行った。

利用者の大学生は「自転車を停める場所がなかったので、ありがたい」という。

新設された駐輪場は、ひろしまゲートパーク近くと合わせて計129台分。特に短時間利用に対応するため、30分間の無料時間が設けられており、買い物や用事を済ませる間に気軽に利用できるよう工夫されている。

営業担当の会社員は「広島は自転車で動くほうが楽なので、ところどころにあるほうがどこかに行くときに時間が少なくて済む」と駐輪場増設に期待をかける。

支払い方法も現金、クレジットカード、交通系ICカード、QRコード決済に対応しており、利便性を重視している。

平和大通りには自転車専用道

一方、平和大通りでは自転車専用道の工事が進んでいる。

自転車道と歩道を分離する縁石の設置が進み、歩道上での歩行者と自転車の接触事故の解消が期待されている。

近隣住民からは「スピードを出して通る自転車が怖い時もあり、分離して、徹底されるのはいい」との声が聞かれる。

平和大通りの自転車道は3月末までに約100mが完成予定。その後、東方向に延伸されていく計画だ。

自転車で出かけられる賑わいのある街

広島市によると、駐輪場の「総量」では需要に対応できているが、特定の場所では駐輪スペースが不足し、放置自転車が問題になっている。この解決策として、駐輪場増設になったとのことだ。

気軽に自転車で出かけられる街は、賑わいのある街でもある。歩行者、自転車それぞれの安全を確保したうえで、市民の日常に寄り添うまちづくりが期待されている。

(テレビ新広島)

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