1月22日夜、長野市のJR長野駅前で3人が刃物で襲われ、1人が死亡、2人が重軽傷を負った事件で、警察は1月26日、殺人未遂の疑いで46歳の無職の男を逮捕した。容疑者の自宅からは2本の包丁が押収され、凶器との一致を確認中。また、容疑者は事件後に容姿を変えた可能性もあるという。

2本の包丁を押収 

警察は26日、長野市西尾張部の無職・矢口雄資容疑者(46)を3人のうち女性に対する殺人未遂の疑いで逮捕した。

矢口容疑者は「黙秘」を続けており、事件に関しては「わからない」「黙秘します」などと話しているという。

自宅からは2本の包丁が押収され、凶器と一致するか確認を進めている。

容疑者の家宅捜索(1月26日・長野市西尾張部)
容疑者の家宅捜索(1月26日・長野市西尾張部)
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また、公開画像と特徴の似たジャンパーやズボン、メガネなども押収したという。

リレー捜査、市民情報が決め手

逮捕の決め手となったのは、防犯カメラ映像をつなぐ「リレー捜査」と「市民からの情報提供」だった。

公開された画像 提供:長野県警察本部
公開された画像 提供:長野県警察本部

捜査本部は、防犯カメラ映像を集めて事件前後の足取りを追ったほか、フリーダイヤルに寄せられた300件以上の情報などをもとに捜査を進めてきた。

容疑者の自宅近くで警察が監視か

容疑者の自宅近くの飲食店では、事件翌日の23日夕方に警察から駐車場を借りたいと申し出があったという。

捜査員が車を止めて監視していた駐車場
捜査員が車を止めて監視していた駐車場

飲食店関係者は「『車を3、4台止めさせてください』と来て、車の前方を犯人の住むアパートに向けていた。監視しているような感じでした」と語った。

容姿変更の可能性も、警察が調査

逮捕時の矢口容疑者は、白髪交じりの短髪でひげはなかった。

しかし、捜査関係者によると、事件当時は白髪交じりのひげを蓄え、髪ももっと長かったという。

左・長野中央警察署に移送される容疑者 右・公開した画像 提供:長野県警察本部
左・長野中央警察署に移送される容疑者 右・公開した画像 提供:長野県警察本部

警察は、容姿を変えて発覚を避けようとひげを剃ったり、髪を切ったりした可能性もあるとみて調べている。

事件後の逃走経路が判明

事件発生直後の長野駅善光寺口をとらえたタクシーのドライブカメラ映像では、盾を持った警察官が駅の西の方へ走っていく様子が確認された。

矢口容疑者は、犯行後、駅西側のホテルの脇を通り、線路沿いの道を西の方へ逃走。その後、跨線橋を通って駅の東口エリアへ移動し、およそ3キロ離れた自宅まで徒歩で戻ったとみられている。

容疑者宅から事件現場までの直線距離
容疑者宅から事件現場までの直線距離

警察は引き続き、事件の動機や犯行前後の足取りなどを詳しく調べている。

(長野放送)

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