皇居・宮殿で新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」が行われ、天皇皇后両陛下や皇族、一般応募者の短歌が披露された。最年少の入選者は、宮崎県延岡市の高校1年生・森山文結(ふゆ)さん16歳。宮崎県からは31年ぶり9人目の快挙となった。母や祖母の影響で詩に親しみ、俳句同好会で活動している森山さんの素顔に迫る。

宮中行事「歌会始の儀」とは

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「歌会始の儀」は、年の初めに共通のお題をもとに作った短歌を詠む行事で、天皇皇后両陛下をはじめとする皇族方、一般応募で入選した人たちの歌が披露される。宮内庁によると、宮中で行われる歌会始の起源は少なくとも鎌倉時代まで遡ることができるということだ。

高校1年生が最年少で入選

長い歴史をもつ「歌会始の儀」に参加する一般の入選者10人に、宮崎県延岡市の高校1年生が選ばれた。

延岡学園尚学館高等部1年 森山文結さん:
まさか自分が入選するとは思っていなかったので、とても驚いた。すごくうれしかった。

森山さんは国内と海外合わせて1万6250首の一般応募の中から、歌会始の入選者10人に選ばれた。宮崎県内からは31年ぶり、記録がある1947年以降で9人目の快挙だ。短歌歴はまだ2年ほどだが、俳句をたしなむ母や祖母の影響で、幼い頃から俳句や短歌に触れる機会が多かったと言う。

文芸部・俳句同好会の「句会」

放課後、森山さんが所属する文芸部・俳句同好会のメンバーや森山さんの母・栄子さんなどが集まり、句会が開かれた。句会では、共通のテーマでそれぞれが詠んだ句を持ち寄り、講評しあう。

文結さんの母・森山栄子さん:
「短歌や俳句をやらないか」と直接言ったことはないが、何となく側で聞いていて、5・7・5という数にも親しんで育ってきたのかなと思っている。

短歌と俳句の良さとは

5・7・5の17音で構成される俳句と、5・7・5・7・7の31音で構成される短歌。森山さんにその違いを聞いてみると…。

延岡学園尚学館高等部1年  森山文結さん:
短歌の方が自分の心情を表す余裕がある。俳句は自分の心情を表さない分、そのとき見た景色などを書くことができるので、両方違った良さはある。

森山さんが日頃から心がけていることを聞いてみると、「音楽や本を読んでいるとき、印象に残った言葉やそれを聞いて自分が思ったことを書いている。」という答えが返ってきた。

メンバーからみた森山さんは

俳句同好会のメンバー 帯谷到子さん:
詠む歌や句などが、輪郭がぼやけているみたいな、現実との境界線が曖昧な感じをすくい取って詠むのがすごく上手。

俳句同好会のメンバー 請関真歩さん:
大人っぽいけどすごくかわいくて、けどやっぱり俳句や短歌は文結ちゃんの感性があふれ出てくるのを作るから、すごく大好き。

メンバーからの評価を受けて、森山さんも思わず「うれしいです」と、満面の笑顔に。

「歌会始の儀」直前の思い

森山さんが詠んだ短歌は、「歌会始の儀」の場で初めて公になる。作品のお題は「夢」。本番を直前に控えたこの日、大役に挑む森山さんの思いは…

延岡学園尚学館高等部1年 森山文結さん:
「夢」というすごく明るいお題に相反して、自分の不安みたいなものも短歌にしていますし、ちょっと言葉のリズムが気に入らなかったりして不安もある。ただ、高校生がこんなことを考えている、ということを感じていただけたら嬉しい。

森山文結さんの「文結」という名前には、本好きなお父さんとお母さんからの言葉で、人とつながってもらいたいという思いが込められている。どんな歌が詠まれるのか、楽しみだ。

森山さんが詠んだ短歌は…後編に続く

(テレビ宮崎)

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