岩の隙間から赤いつぶらな瞳をした白ヘビが見える…かもしれない。商売繁盛にご利益があると言われている福井県永平寺町の神社には、へび年ということもあり例年より多くの参拝客が訪れている。

岩の隙間に“ヘビ神様”
中部縦貫自動車道の上志比インター近くにある弁財天白龍王大権現。泰澄大師が創建した平泉寺が繁栄した頃、周辺には商売繁盛の神、弁財天が祀られた。その後、一向一揆により平泉寺とともに焼失したが、戦後、大阪の材木商が「岩があり、そこに白蛇がいる」というお告げを受け再建したとされている。

境内にある橋を渡り鳥居をくぐって階段を登ると、目の前に大きな岩が現れる。ここに“神様”の白ヘビが住んでいるといわれている。
よく出合うのは「雨が降る前日」

岩には一筋の割れ目が入っていて、そこからのぞき込むと白ヘビが見えることがあるという。地元の人は、特に雨が降る前の日に見かけることが多いと話す。

奉賛会の朝日高範委員長は「あしたは雨だなと思った時は、白ヘビにほぼ出会う。晴天や雨が続いてもダメで、湿度の関係で会うことが多い。岩と岩の間にいて、時々、目がばっちり合う。目が赤くてかわいい白ヘビ」と話す。

ここで白ヘビを拝むとお金がたまると言い伝えられていて、ご利益にあやかろうと全国から多くの参拝客が訪れる。

案内板には「白ヘビの姿が見えなくても信じるものには徳が与えられる」との言葉が。目に見えるものだけでなく、信じる力こそが大事だという教えだ。
朝日委員長によると「弁財天なので、財産が増す。もう一つは、『財』は『才』も兼ねているので学問が向上する。この2つのご利益がある」という。

商売繁盛や心の豊かさを求めて、全国から多くの参拝者が訪れる弁財天白龍王大権現。信仰の力が、いまなお多くの人々に影響を与え続けている。
<弁財天白龍王大権現>
場所:福井県永平寺町竹原
アクセス:中部縦貫道の上志比インター近く