大阪市でインターネットカジノ店が摘発され、店の幹部らが逮捕された。
ここ数年で急増しているという、違法な「オンラインカジノ」。
はまってしまった人を取材すると、「闇バイト」との関連も見えてきた。
■大阪府警はインターネットカジノ店を摘発した

記者レポート:午後5時すぎです。違法なカジノ店が摘発され捜査員が段ボールを持って出てきました。
18日、警察が300人態勢で行ったのは、大阪市北区にあるインターネットカジノ店「DOUBLE」など5店舗の摘発。
店の幹部、久井遊紀容疑者(43)ら、従業員や客などあわせて41人が常習賭博などの疑いで逮捕された。
インターネットカジノ店は、パソコンを使って、店で違法な「オンラインカジノ」をさせる場所で、警察によると、家宅捜索の際にも、店内には20代から40代の客4人がいたということだ。
■国内では、オンラインカジノで現金をかけることは違法。違法と知らない人も多い

国内では、オンラインカジノで現金をかけることは違法。 しかし、街で話を聞いてみると…。
(Qオンラインカジノをする人周りにいる?)
30代:います。
(Qどんな人?)
30代:います。普通の人ですよ。スロットみたいなのをやっている人もいますし。
20代:周りの子で何人かやっている子がいる。
10代:あ、そうなんですか?それは…違法なんですね、あれ。よく分かってないです。
違法と知らない人も多く、身近な存在になっていました。
■トラブルも増えていて、相談件数は5年間で約12倍に

実際にトラブルも増えていて、「ギャンブル依存症問題を考える会」への相談件数は5年間でおよそ12倍と急増。
会の代表を務める田中紀子さんは、新型コロナの流行を機に、「お手軽」なギャンブルとして広まってしまったのでは、と指摘する。
ギャンブル依存症問題を考える会・田中紀子代表:漠然とした社会不安があった中で、急にできた暇な時間。友人知人と分断されていたので自分ひとりでできる気分転換ということで、オンラインギャンブルがバンと増えてしまった。
■オンラインカジノにはまり、500万円を超える借金を抱えた男性

「手軽さ」がもたらす、悲劇とは。
3年前、オンラインカジノにはまってしまったという男性に話を聞くことができた。
オンラインカジノをしていた男性:スロットゲームのアプリとかで遊んでいた時に広告とかバナーみたいなもので(オンラインカジノを知った)課金をするというような感覚で始めた例えば100円をかけたものが1万円になったりとか、大きく勝ったときの感覚っていうのを忘れられない。
しかし、ほどなくして負けが続くようになり、男性は消費者金融などにお金を借りることに。
借りたお金でまたギャンブル、気づけば借金の総額は500万円を超えていました。
■男性は3万円で銀行口座を売却し、「闇バイト」に加担してしまう

そんなとき男性がみつけたのは、SNS上のある投稿だったという。
オンラインカジノをしていた男性:ツイッター(X)で『#金策』とか『#お金欲しい』とかって入れた時に簡単に稼げる案件ありますっていうようなのを見つけて持っている口座を売ってくれたら3万円なり5万円なり、すぐできるよっていうので。
男性は3万円で銀行口座を売却。 いわゆる「闇バイト」に加担してしまった瞬間だった。
売った口座は犯罪行為に使われ、数か月後、男性は書類送検された。
■「オンラインカジノ」と「闇バイト」の関連は

オンラインカジノにはまった男性:こんなことになるとは思ってなかった。その時はただひたすらお金が欲しい。早くオンラインカジノやりたいっていう気持ちしかなく。
田中さんは、「オンラインカジノ」と「闇バイト」の関連について、こう指摘する。
ギャンブル依存症問題を考える会・田中紀子代表:オンラインカジノはほかのギャンブルと違って24時間できてしまうので、すごくはまりやすいんですよ。若い人たちってそんなに多額の借金ができないじゃないですか。違法だってわかってても手っ取り早く犯罪でもお金を作ろうとしてしまう。
ゲームの課金と同じだろう。そんな軽い気持ちでオンラインカジノに手を出したら最後、地獄の苦しみから抜け出せなくなるかもしれない。
(関西テレビ「newsランナー」2025年1月20日)