闇バイト強盗事件で逮捕されたらどんな事態が待っているのか。
強盗致傷事件などで逮捕され、13年以上社会から隔絶されていた男性がいま伝えたいことを語った。
■人生の楽しい時期を全部刑務所の中で過ごし…

大阪府内に住む30代のつよしさん(仮名)。
先月、13年半ぶりに塀の外に出てきた。
つよしさん(30代・仮名):長いことお世話になったのかなと。自分の人生の楽しい時期を全部刑務所の中で過ごしているので、そう思うとやっぱり後悔はありますね。
■「安易な行動で人生潰してもうて、取り返しがつかん」

2011年、つよしさんは原付バイクでカバンを奪った際、被害者が転倒して重傷に。
その後、強盗致傷などの罪で実刑判決を受け、神戸刑務所で服役していた。
つよしさん(30代・仮名):もっと自分の人生、もっといろんな選択肢ができて、もしかしたら夢が叶ってたかもしれない。もっとやりたいことできてたんでしょうけど。安易な行動で人生潰してもうて、取り返しがつかんので。
■出所後は社会の変化についていけず…
13年半という長い年月。 強く感じたのは、社会の変化についていけない自分自身への戸惑いだった。
つよしさん(30代・仮名):スマホに対してはちょっとびっくりしまして、SNSを使ってやりとりするにも操作の仕方が分からない。
幼かった妹はいつのまにか高校生に。家族との繋がりも大きく変わった。
つよしさん(30代・仮名):今まで母親と2人で生活してきた中に、いきなり大のおっさんが、異物が入ってくる。将来、パートナー見つけて結婚する時にいざ身内に犯罪者がおるってなった時に、自分のことで妹の人生、可能性潰してしまうことになるんだなと。
■いま、社会に伝えたいことは
出所したばかりのつよしさんが、いま社会に伝えたいこととは…
つよしさん(30代・仮名):社会での失敗は取り戻したり消せたりは出来るとは思うんですよ。でも刑務所の履歴は消せませんからね。刑務所で終わりじゃないんで。将来結婚して子供出来ても、どっかでまだ多分SNS残るじゃないですか。また後ろ指さされて、家族つぶれていくんやなって思って。
■「動機とは無関係に、罪は通常の重さがある」と藤井教授
「闇バイト」について、「newsランナー」コメンテーターの京都大学大学院・藤井聡教授は次のように厳しく指摘した。
京都大学大学院 藤井聡教授:闇バイトの問題は、裏で操ってる人間がとてつもなく悪い奴で、実行犯は被害者の側面がなくもない。でも、やった罪はあるわけで、動機とは無関係に、その罪は極めて通常の重さがあるので、絶対に染めないようにしてもらわないといけない。
■「闇バイトというと軽い感じがするけど、とても重い犯罪」

また番組に出演した吉村洋文大阪府知事も、「闇バイト」いう表現から、イメージしにくい「重い犯罪である」ということを指摘した。
大阪府 吉村洋文知事:取り返しのつかないことになると思います。闇バイトというと軽い感じがするけど、これはとても重い犯罪。例えば強盗では法定刑で懲役5年以上です。初犯でも実刑になるくらい重い犯罪に加担しているという意識を持ってもらいたい。大阪府でも闇バイトのSNSがあったら、府警から発信をして、おさえる取りくみをしています。 仮装身分捜査は日本も踏み込んだ対策をするべきだと思います。加害者も被害者も生まないようにしないといけないと思います。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年12月27日放送)