長野県山ノ内町の地獄谷野猿公苑で、温泉に入る「スノーモンキー」が外国人観光客の人気を集めている。2023年度の来訪者数は約25万人を記録し、2024年度はさらにそれを上回るペースで推移している。増加する観光客に対応するため、町は観光庁のオーバーツーリズム対策の補助金を活用し、総工費4600万円でバス待合所を新設するなど、受け入れ態勢の強化を進めている。

「ここでしか見られない光景」

地獄谷野猿公苑では、雪が積もった中で温泉につかるサルの姿が「スノーモンキー」と呼ばれ、外国人観光客に大人気となっている。

温泉につかるサル
温泉につかるサル
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1月17日も大勢の観光客が訪れ、オーストラリアからの観光客は「美しく、ここでしか見られない光景で素晴らしい」「自然の中でこんなかわいいサルを見られてよかった」と感想を述べた。

待合所新設で快適性向上

観光客の増加に伴い、山ノ内町は受け入れ態勢の強化を進めている。

公苑の最寄りバス停留所に新設された待合所について、平沢岳町長は「これでだいぶ快適にバス待ちができますね」と話す。

バス停留所に新設された待合室
バス停留所に新設された待合室

これまで雨や雪をしのげる待合所がなかったが、新たに約80平方メートルの広さの待合所が完成した。

トイレ不足やごみ問題にも対応

新設された待合所には、チケットの券売機のほか、トイレ8基も整備された。

外にはごみ箱も設置され、観光客の増加で問題となっていたトイレ不足やごみのポイ捨ての解消にもつなげる狙いがある。

ごみ箱を設置
ごみ箱を設置

平沢岳町長は「スノーモンキーで地獄谷野猿公苑が世界的に有名になり、ほっておいても人がじゃぶじゃぶ来る状況なので、快適性の向上、受け入れ態勢の整備で、町民に迷惑がいかないようにすることも重要」と述べている。

観光客の満足度向上を目指す

山ノ内町は、これらの整備によって観光客の満足度向上を目指している。

外国人客に人気
外国人客に人気

平沢岳町長は「観光地って口コミだと思う。スノーモンキーに行く道中も観光客が快適に楽しんで、いい思いをして帰ってもらえることが一番。(整備が)顧客満足度の向上につながっていく」と期待を寄せている。

(長野放送)

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