2027年の蛍光灯製造終了を控え、電気店には、LEDへの付け替え依頼が殺到している。
蛍光灯の種類によっては、配線工事が必須なものもあり、自分で付け替えを行うと漏電や火災の原因になる可能性もあるため、事前に確認が必要だ。
LEDに交換の危険性…さらに節電効果ダウンも
2027年に蛍光灯の製造が終わるという発表を受けて、電気店にはすでに、LEDへの付け替え依頼が殺到している。
しかし、「LEDへの交換の落とし穴」があるという。

LED普及率は6割で、これから付け替えされる方も多いと思うが、実は、誤って自分で作業すると、発火したり、うまく使えないケースもあるという。
「イット!」は、付け替え工事に密着した。
遠藤玲子キャスター:
この日、電気店「栄電気」の沼澤栄一代表が、向かったのは都内のマンションです。台所の上にあったのは、一般的な蛍光灯でした。
60代依頼主:
蛍光灯をストックで替えよう、持っていようかなと思ったんだけど。どうせなら新しいやつ(LED)に替えちゃった方がいいなっていうことで。
遠藤キャスター:
一見、工事を行わなくても、蛍光灯をLEDに交換すればいいだけに見えますが、そこに危険が潜んでいるといいます。
記者:
蛍光灯をLEDに交換する行為?
栄電気・沼澤栄一代表:
そうですね、よく市販で直管形LEDとかあるけど、メーカーさんは認めてない。
記者:
ここに、直管形のLED照明を取りつけたらどうなる?
栄電気・沼澤栄一代表:
壊れるのもありますね。

遠藤キャスター:
例えば、蛍光灯器具にLEDを取りつけると、本来の明るさや十分な節電効果を得られないだけでなく、漏電や火災の原因にもなります。実際に誤った取りつけにより、故障し出火した際の写真を見ると、高熱でガラス管部分が黒く焦げつき、白いカバーの部分は溶けてしまっています。
そのため、LED照明を使用する際は、「LED器具」への交換が必要となります。ただ、この取りつけは配線工事が生じるため電気工事士の資格が必要で、個人で行うことは禁止されています。取り替え作業は、約5分で終わりました。
栄電気・沼澤栄一代表:
どうですか?結構明るいでしょ?
60代依頼主:
全然違います。
栄電気・沼澤栄一代表:
つくのも、パってつきますよね。蛍光灯はパパって。

遠藤キャスター:
設置工事の費用は約5000円ですが、個人の場合、今は東京都の「東京ゼロエミポイント」の対象で、ほぼ自己負担なしで行えるので、5000円のLED器具の費用負担のみで済みました。そして、この問題に頭を悩ます人が、ほかにもいました。
化粧品店店主:
全部なんだよね。うちさ、商品を照らしている棚も全部蛍光灯じゃない?全部どうすればいいのって感じ。
遠藤キャスター:
こちらの化粧品店では看板や商品を照らす棚など、店内のほとんどが工事が必要な蛍光灯器具を使用しているんです。

化粧品店店主:
今までは(蛍光灯の)ストックがあったから替えてこられたんですけど、もうストックがなくなっちゃうと…。やっぱり商品照らすのが最優先で、お店の中が暗くなっちゃうのがまずい。
遠藤キャスター:
すべての蛍光灯をLEDに変えるための工事費用は約16万円かかるということで、一度に行うのは資金的にも難しいため、今後、徐々に行っていく予定だということです。
シーリング付き器具は自分で交換可能
遠藤キャスター:
蛍光灯をLEDに変更するときは、必ず工事に来てもらわないとダメというわけではないんです。

遠藤キャスター:
リビングなどの天井に、電気器具をつけるための「シーリング」という、照明用の取りつけ器具を見たことがあるかと思うのですが、これがついていれば、自分でLEDの器具ごとへの交換が行えますので目印にしてください。天井にシーリングがついている場合、照明器具ごとLEDに自分で交換OKで、電球形の場合もランプを交換するだけでOKです。
青井実キャスター:
これは、自分で交換しても平気ってことですね。

遠藤キャスター:
一方で、シーリングなしで使用している直管形蛍光灯は、LEDの器具ごと交換が必要です。また、環形蛍光灯やコンパクト形なども、すべて天井に直接ついているものに関しても、しっかりと配線工事から行ってください。
スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
実は、日本照明工業会のアンバサダーを務めています。照明器具まで変えないといけないことは知っていました。照明器具の寿命は、10年ともいわれていますので、チェックしてみましょう。
不安な場合は、写真を撮って近くの電気店で確認するのも1つの手だ。
(「イット!」1月15日放送より)