京都市の松井市長は、ホテルや旅館などの宿泊税について、最大で現行の10倍の1万円まで引き上げる方針を発表した。

■【動画で見る】宿泊税最大10倍に 京都市が方針発表「1泊1万円」の税金で全国最高額

■オーバーツーリズム対策などに活用 昨年は52億円の税収も 宿泊税を引き上げ方針

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京都市 松井孝治市長:いわゆるラグジュアリーホテルなどに宿泊される方は、負担能力に応じたご負担をいただくために、最高税額を1万円とさせていただいた。

松井市長が明らかにしたのは、最大1万円までの宿泊税の引き上げ。

京都市では7年前に導入し、「民泊」も含めた全ての宿泊施設の利用者が支払う税金だ。

現在は宿泊料金に応じて、200円から1000円までの3つに区分されていて、昨年度は過去最高のおよそ52億円の税収となっている。

その使い道は…。
記者リポート:こちらのサイトでは、渡月橋など観光地の混雑状況が、ライブカメラで分かるようになっています。

主要な観光地の混雑状況を、ライブ映像で確認できるサイトの運用や、文化財や景観の保全などに活用されている。

また、いわゆる「オーバーツーリズム」対策として、観光客の増加で「市民がバスに乗れない」との苦情に対応するため、主要な観光ルートだけを結ぶ「観光特急バス」の運行などにも使われている。

この宿泊税について松井市長は、200円、400円、1000円、4000円、1万円の5区分に引き上げる方針を明らかにした。

■「思ったより上がった」ホテルは理解を示すも観光客減少の懸念も

実現すれば、最高で現在の10倍となる「1泊1万円」の税金がかかることになるが、この方針に実際に徴収するホテル側は…。

ホテル日航プリンセス京都 田口明宿泊部部長:率直に言って、金額のインパクトの大きさには非常に驚きました。思ったより上がったなという感覚は持っています。トータルの宿泊コストは上がるので、どうお客さまが感じて、どういう選択をするか注視していかないといけない。

一定の理解を示したうえで、観光客減少の懸念があることから「引き上げの必要性の説明を尽くしてほしい」としている。

これに対し市長は…。

京都市 松井孝治市長:宿泊税で若干、集客にマイナスがあったとしても引き上げる方が、京都は中長期的には発展する余地があるのでは。その可能性を、追求できるのではないかと思う。

京都市は来年3月の導入を目指していて、実現すれば全国最高額となるが、事業者と観光客、双方の理解を得られる変更となるのだろうか?

■外国人観光客の富裕層からお金が入ってくるのは「うまいやり方」

今回の宿泊税引き上げで、京都市は税収がおよそ126億円になると想定している。

大阪大学大学院で経済学を研究している安田洋祐教授は、「京都市にとってプラスの影響があるうまいやり方」と話す。

大阪大学大学院 安田洋祐教授:だいぶ京都市は財政が厳しいと言われていましたけれども、それに対してプラスの影響があるでしょう。
オーバーツーリズムは結局、外国人観光客などの外からやって来る人達に、地元の反発が高まったりするんですけど、今回、一番高い10万円以上のラグジュアリーホテルに泊まっているのは、基本やっぱり外国人観光客なので、差別的な税金の金額にしなくても、おのずと外国人観光客に負担いただくという形なので、うまいやり方だと思う。

京都市は来年の3月の導入を目指していくということだ。

(関西テレビ「newsランナー」2025年1月14日放送)

関西テレビ
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