2025年初めての取引となった6日の日経平均株価は、2024年末の終値と比べ587円49銭安い、3万9307円5銭だった。物価高を上回る賃金上昇が実現して景気がうまく回り出せば4万3000円台もあり得るとの期待の声も上がるなか、「辰巳天井」となる勢いが見られるのか、注目の一年となる。

アメリカ市場の影響直撃

年初の取引となる大発会を迎えた東京市場は、年末年始のアメリカ市場で主な株価指数が値下がり基調を辿った流れを引き継ぎ、売りが広がった。

この記事の画像(7枚)

終値は2024年末の終値と比べ、587円49銭安い3万9307円5銭だった。

2025年は巳年だが、相場格言では2024年の辰年と合わせて「辰巳天井」と言われ、相場が天井、つまり最高値をつけやすいとされている。

2025年の焦点は、トランプ新大統領の経済政策で関税強化が波乱要因となる可能性が指摘されている。一方、2025年は日銀が追加の利上げに踏み切り、金利のある世界が広がる見通しだ。

物価高を上回る賃金上昇が実現して、景気がうまく回り出せば4万3000円台もあり得るとの期待の声も上がっている。天井をつける勢いが見られるのか、注目の一年となる。

円安・株高の行方…トランプ政策で市場に波乱も

「Live News α」では、エコノミストの崔真淑(さい・ますみ)さんに話を聞いた。

堤キャスター:
2025年最初の取引は500円以上値を下げましたが、2025年のマーケットの見通しを教えてください。

エコノミスト・崔真淑さん:
今年も円安やアメリカ株高を背景に、海外でビジネスをしているような自動車や半導体関連の株価が好調で、日本株も好調という見方があります。
しかし、予想とは往々にして裏切られることもあります。なのでまずは、円安とアメリカ株高の行方について考察する必要があるのかなと思っています。

堤キャスター:
まず、円安の行方はどうご覧になりますか。

エコノミスト・崔真淑さん:
トランプ大統領がドル安円高を求めていることで日本にプレッシャーを与える可能性があるのではないかと言われています。

そして日銀においては、現状の景況感が続くことを前提に、2025年末までには0.75%、2026年には1%ほど金利を上げるのではないかという予想も出ています。となると、アメリカと日本の金利差を意識して円高になる可能性もあります。

ただ、こういう考え方が出ているということは、投資家はすでにマーケットに織り込んでいる可能性もあり、先行きは不透明です。為替も株価もトランプ大統領就任と共に、乱高下する可能性もあるのかなと思っています。

ビジネス重視の政策でアメリカ経済は“繁栄の時代”に?

堤キャスター:
そのアメリカの株式市場はどうなりそうでしょうか。

エコノミスト・崔真淑さん:
アメリカを代表する株価指数S&P500は、過去2年間で50%以上、上昇しています。

ノーベル経済学賞を受賞したエール大学のロバート・シラー氏が提唱したCAPE比率と言う株価指数を見てみると、バブル崩壊を予見する値も見せているんです。

ただその一方で、トランプ次期大統領のビジネス重視の政策とAI革命によって、アメリカ経済は繁栄の時代になる可能性も指摘されています。

堤キャスター:
それはなぜでしょうか。

エコノミスト・崔真淑さん:
過去にもアメリカにはビジネスマンのような大統領がいたんです。30代の大統領のカルビン・クーリッジという方なんですが、「アメリカの仕事はビジネスである」と宣言し、自動車の大衆化で繁栄の1920年代をつくり上げ、それがトランプ氏と似ているとの声があります。

そうした繁栄が続くのか気になるところですが、とはいえ、物価上昇の継続で生活のしやすさと、株式市場の乖離は今年も続きそうかなとは予想しています。

堤キャスター:
株価は景気を映す鏡です。私たちの暮らしにおいても、株価の実態を感じられるようになるには、企業が長期的に成果を出し続け、そして期待に応えていくことが求められているのかもしれません。
(「Live News α」1月6日放送分より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(7枚)