それを聞いた鍵山は、宇野さんのいない今年の全日本に「感覚は違うし、昌磨くんがいるという安心感があった」と振り返り、こう答えた。

「僕はエースになりたいからというわけじゃなく、今まで全日本選手権でも羽生結弦さんや昌磨くんがいるなかで表彰台はありました。けど、優勝はなくて。そこに向けてひたすら頑張っていくだけ。ただその壁(優勝)はすごく分厚くてすごく高くて、より厳しいものになってくると思う。本当に人一倍努力をしていかなくてはならないのは、肌で感じています」
優勝へのカギは4回転フリップ
今年こそ、日本の頂点に立つためのカギを、鍵山は「4回転フリップ」とする。
「なかなか4回転になると難しくて試行錯誤中なのですが、フリップもまだ今シーズンは決められてなくて…」

この4回転フリップは、かつて宇野さんが世界で初めて成功させ、現在でも数人しかできない大技だ。

昨シーズンからこの大技を組み込んでいる鍵山だが、今シーズンはGPファイナル前まで納得のいく成功はなかった。