日本時間の12月15日、米・フロリダ州のマイアミ国際空港に姿を見せたのは、安倍晋三元首相の妻・安倍昭恵さん(62)です。

FNNは昭恵さんとトランプ次期大統領が、会談を模索しているという情報をいち早く入手、「トランプ氏との会合はどんな感じになりそうですか?」と声をかけましたが、昭恵さんは問いかけに応じることなく、笑顔で空港を離れました。

トランプ氏はこれまでカナダのトルドー首相や、フランスのマクロン大統領らG7首脳と面会していますが、日本の石破茂首相との面会は実現していません。
今回の夕食会が行われると、石破首相より先に、アメリカの次期大統領と日本の元首相の妻が面会するという異例の状況となります。

現地メディアは、今回の夕食会は政治的なルートではなく、「トランプ氏と昭恵さんの直接的なやりとりを通じて設定されたもの」と報じています。

2022年に安倍元首相が凶弾に倒れた時、「自分の真の友人であり、それよりはるかに重要な意味でアメリカにとっての友人でもある」と、安倍元首相の死を悼んでいたトランプ氏。

夕食会が開かれる場所は、トランプ夫妻と安倍夫妻が親睦を深めた思い出の地、「マール・ア・ラーゴ」です。
20年にわたり安倍元首相を取材した 、ジャーナリストの岩田明子氏は、今回の夕食会について、開いた理由をこう推察します。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
非公式なものに呼ばれる、クローズドな会に招待される、あるいは居住スペースに招待されるっていうのは、(関係性を)非常に重視をしているっていうことの表れだと思います。
トランプさんは、(安倍元首相の)葬儀も参加できなかったし、自分は大統領に返り咲くという要素がある中で、大統領に就任する前にこれらの(安倍元首相への)思いを一度伝えておきたいという、ことがあったのかなと思います。
政府関与しない“完全プライベート”な食事会
安倍夫妻やトランプ氏の側近とも親交がある、キヤノングローバル戦略研究所・峯村健司主任研究員によると、今回の会食は、政治的なものは一切関係ない“プライベード”なものだといいます。

峯村健司氏:
安倍元首相が暗殺されて以降、トランプ氏がかなり昭恵さんを心配されていたらしく、手紙などのやりとりをしていく中で今回の流れになったというふうに聞いています。
トランプ氏自身も、安倍さんが亡くなった後も「晋三に会いたい」ということをよくこぼしていたということから、今回夕食会が設定されたと聞いています。
――完全に友好を温める会?
そうですね、両政府の関係者に聞きましたけども、完全なプライベートで、全く政府が関与していないそうです。

安倍元首相とトランプ氏の関係が始まったのは、2016年の11月。周囲の反対を押し切り、初当選を果たしたトランプ氏に会いに行った安倍氏は、そこでトランプ氏からの質問攻めにあったといいます。

その際、どんな質問にも誠実に答える姿を見た娘のイバンカ氏が、「シンゾーの言う事を聞いた方が良い、誠実な人だから」とトランプ氏に進言したのです。
また、以前「マール・アラーゴ」で食事会を開いた際に、お酒に強い昭恵さんの“飲みっぷり”をトランプ夫妻が気に入ったということもあります。

――トランプ氏は反アルコール派の人だと聞いていますが“飲みっぷり”に?
峯村健司氏:
昭恵さんはお酒だけじゃなく、朗らかに活発的にお話をしたのが、メラニアさんとは対照的だと気に入ったと。ただ、周りの取り巻きの人は結構ひやひやしていて、お酒をガンガン飲んでいたのは昭恵さんだけだったらしく…どうなんだろうと思っていたら、意外と良かったねと終わったそうです。
――今回なぜこのタイミングなんですか?
大統領になってしまうと、1月20日以降は全部管理されてしまうわけです、政府に。
だから、今のこのプライベートのわずかな期間に、めちゃくちゃ忙しい中で、ここだけなんとか開けたと。逆にそれだけ会いたかったと。

フジテレビ解説委員 風間晋氏:
トランプさんの真意は本人のみぞ知るというところだとは思いますが、今回明らかになったのは、「昭恵さんのチャンネルというのはトランプさん本人までつながるんだ」ということを、日本政府だけでなく、財界人やトランプさん本人、また周辺とコンタクトを取りたい人たちにはすべて分かったわけで。これから昭恵さんはおそらくそういう人たちからも引っ張りだこになるに違いないし、トランプさんとしても、計算してたかは分からないけれどそういう状況を作っているわけだから、それを利用しないわけがないと。
――食事会は、今後の石破氏とトランプ氏の会談に結びつきそうですか?
峯村健司氏:
結びつけなきゃいけないと思います。
ただ、やはり総理官邸も(今回の食事会を)全く知らなかったらしく、「なんだこれ」と。フジテレビさんのスクープでブワーッと「なんだこれ!誰がやっているんだ!」となったみたいなので、本当に知らなかったんだと思います。
(めざまし8 12月16日放送)