東京都で、小池知事が都職員に週休3日制を2025年度から導入する考えを示した。
女性が出産や育児でキャリアを諦めないよう、フレックスタイム制を活用した新たな働き方改革を目指すという。
企業への波及や週休3日制のメリット・デメリットにも注目が集まっている。

より柔軟な働き方…企業への波及が狙い

東京都の小池百合子知事が、都の職員に週休3日制などを導入する考えを示した。
企業に広がることを狙ってのことだが、週休3日はありがたい一方で、不都合も出てくるのではないだろうか。

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4日のテーマは、「いよいよ都庁も 週休3日の世界とは ソレってどうなの?」だ。

小池知事は3日、都議会の所信表明演説で、女性が出産や育児などでキャリアを諦めないようにするため、新たな働き方改革に取り組む考えを示した。

小池百合子東京都知事:
「隗(かい)より始めよ」で、まずは都庁で徹底した両立支援に着手します。フレックスタイム制を活用した週休3日や、子育てと仕事の両立のための新たな部分休暇など、より柔軟な働き方を可能とする制度を来年度(2025年度)から導入することとしました。

改革によって、女性の活躍と職員の人材確保を目指している。    

小池知事が、2025年度から導入すると示したフレックスタイム制を活用した週休3日制は、どのような働き方になるのだろうか。

週休3日には、主に3つのパターンがある。
1つ目は、休みは増える代わりに、給与も減る形。
2つ目は、休みが増えても給与が減らない形。
そして3つ目は、週に5日の勤務時間を4日で働き、給与は変わらないという形だ。
東京都の場合は、3番目のパターンが想定されている。    

都の総務局によれば、現在、職員は始業や終業時間を自分で決めるフレックスタイム制を活用している。
この制度により、勤務時間を調整することで、休日を4週間に1日追加できることになっている。
これを2025年度からは、1週間に1日加えられるように見直して、「週休3日」ができるようにするという。    

小池知事が打ち出した「週休3日制」について、街の人々の声を聞いた。

街の人:
お金よりも自由な時間でストレスを作らない方が大事。家族を大事にしたり、自分の好きな時間を作るのはすごくありがたいなと思います。

街の人:
ストレスで心の病気になってしまう人も多かった。休暇と睡眠は大事だと思うので、(週休)3日は必要な日にちだと思います。

一方で、都の職員が週休3日だと、気になることもある。

街の人:
平日手続きに行ったときに、(業務が)できないとか滞ると困ります。

街の人:    
5日で働いていた分、(週休)3日で残業が増えるので困る人もいるから、そこをどうしていくのかなと思います。

「カバーし合う体制づくりを」週休3日制に多くの課題

青井実キャスター:
ーーパックン、この制度どうでしょうか?

スペシャルキャスター パトリック・ハーランさん(パックン):
アメリカではアマゾンとかマイクロソフト、また日本の企業では、東芝やパナソニックは週休3日制を選択肢として与えていることもあるんです。ただ日本の場合は、1人が担当することが多いから、カバーし合う体制づくりが先ですよね。

青井キャスター:
アナリストの林さんに、週休3日制のメリットとデメリットを聞きました。

経済アナリスト・林大吾さん:
やはり人材を確保やすい、時間も取れる。一方でデメリットは、毎日きちんとサービスを提供しなければいけないにかかわらず、サービスに“波”ができる可能性があります。

青井キャスター:
ーーでは、都が進める週休3日制は、今後も企業に広がるんでしょうか?

経済アナリスト・林大吾さん:
徐々に民間にも広まっていくとは思いますが、週休3日制は、まだまだ企業としてもたくさんの課題を抱えていて、徐々には広がりますが、急速に普及というのはもう少し先だと思います。

青井キャスター:
さらに週休3日のほかにも、小学1年生から3年生までの子どもを持つ職員を対象に、勤務時間を1日最大2時間短縮できる「部分休暇」も新たに導入する予定です。短縮した分の勤務時間は無給になる予定で、学童保育などに預けた子どもを引き取りにいかなくてはならない職員を想定しているということです。

東京都が進める働き方改革が、今後、一般企業にも広まっていくのか。そのあたりも注目です。
(「イット!」12月4日放送より)

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