新型コロナウイルスの感染拡大で、出かける場所なども限られ、子どもが電子メディアに触れる機会が今 増えている。

新型コロナの影響でゲーム時間増加

広島市安佐南区の油浦さんのお宅。
小学6年の1人息子・晴海君が夢中なのは、ゲームとYouTube。
新型コロナウイルスの感染拡大が拍車をかけた。

油浦晴海君:
増えたと思います。(YouTube視聴は)1日に2~3時間かな

ゲームは日曜日だけというルールを作っているが、厳しく言い切れない事情もある。

油浦晶子さん:
友達も遊びに来られなくなったし、ほかにレジャーとか楽しみがなかなか取りづらくなったので、せめてゲームぐらい楽しんでいいんじゃないかなという気持ちがどこかにあって、強く言えない

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油浦晴海君:
ゲームより友達と遊んでる方が楽しいと思います。毎日友達と遊べなくてさみしいですよ

コロナの影響で、こうした家庭は増加傾向にある。
しかし、文部科学省の調査によると、テレビゲームの使用時間が増えるほど学力が低下しているという結果も出ている。

油浦晶子さん:
視力も悪くなるし、姿勢も悪くなるし、内容がどうかなというものもあったりするので心配です

子どもと電子メディアの関わり方…大切なことは

2019年5月、WHOは「ゲーム障害」を疾病と認定。
これを受け、香川県では、2020年4月「ネット・ゲーム依存症対策条例」を施行した。
18歳未満に対し、ゲームの利用を平日は1日1時間、休日は1時間半までに制限し、さらにスマートフォンの使用は、義務教育修了前は午後9時までとしている。

一方、専門家は、時間の制限以上に大切なことがあると指摘する。
ポイントは3つ。
睡眠・傾聴・承認

広島市電子・メディア・インストラクター笹川進吾さん:
一番大切なのは睡眠。やっぱりそこを大切にしながら、1日の生活リズムを整えるということですね。例えば小学校1年生で10時間必要ですし、6年生でも9時間、中学生になっても8時間以上必要なので、時間をどう配分するかということを考えてもらいたいと思う

続いて、傾聴と承認。

広島市電子・メディア・インストラクター・笹川進吾さん:
子どもに親がこうしなさいというのではなく、子どもの意見なんかを聞く、いわゆる傾聴をしっかりして、その話を進めていくことですね。その時に大切なのが承認ということで、子どもが意見をいったらすぐ「だめよ」じゃなくて、常に問いかけとか聞き出しとかですよね。そうすると、しっかり自分でコントロールできるようになる。依存になるとか少なくなってくると思う

電子メディアとの関わりは、0歳から注意が必要。

広島市電子・メディアインストラクター・笹川進吾さん:
0歳から2歳までは、できるだけ見せない、使わせない方がいい

1歳をめどに写真を見たり、テレビ電話のやりとりは許容する。
もし動画を見る場合は、親も一緒に見ることがポイント。
そして3歳になると...

広島市電子・メディア・インストラクター・笹川進吾さん:
だんだん1人で見る時間が増えていき、それでも忙しくて一緒に見れないときは、必ずあとでどんな話だったか(話を聞く)、1分でも2分でもいいから、そういう時間を設けてほしい。与えっぱなし・見せっぱなしというのはやめさせる

警察へ寄せられる相談増 100万円単位の相談も…

一方、小学生以上になると犯罪などに巻き込まれる危険性も。
感染拡大後、広島県警へ寄せられる相談で増えたものとは...

広島県警少年対策課・崎本昌弥統括少年育成官:
最近、ゲーム課金について相談が多いんです。これが1万、2万という単位ではなく、100万円以上の単位での相談があります。多い金額だと800万とか。(対処としては)クレジットカードを親がきちんと管理して、パスワードは子どもに絶対教えないこととか。
現金というものに触れる機会が少ないのか、カードからお金が出てくるような、お金に対する価値観も変わってきているところもあるので。親が認識していなければ、こうしたことがいつの間にか起こってしまっている

ゲームを取り上げると、家庭内暴力につながるケースも。
一方、2019年に比べ、相談件数が約4割も増えたのは、「性の逸脱行為」に関するもの。

広島県警少年対策課・崎本昌弥統括少年育成官:
SNSを使って知り合った知らない人に対して、裸の画像を送ってと頼まれると、それを安易に送ってしまったために、児童ポルノの被害者になってしまったというケースも増えています

被害は小学生から始まり、中高生ではお小遣い欲しさにSNSで出会った男性とやりとりする「パパ活」も増加している。

広島県警少年対策課・崎本昌弥統括少年育成官:
SNSで知り合った相手とは「会わない」ということ。そして、自分の裸の画像を「撮らない」「送らない」「個人情報を載せない」。こうした4つのポイントをきちんと守ることができたら、自分自身を守ることにもつながってくると思います

<家庭で注意する3つのポイント>
(1)家庭でのルール作り
親が一方的に決めるのではなく、親子で話し合って決めることが重要。
(2)フィルタリング閲覧制限
被害にあった子どもの多くが使用していない。フィルタリングも万全ではないので、親が定期的にモニタリングをすることも必要。
(3)困ったときは、少年サポートセンターに相談
広島(082-242-5110) 福山(084-925-7011)

(テレビ新広島)

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