兵庫県知事選で当選した斎藤知事の選挙運動が公職選挙法に違反するとして、大学教授らが12月2日、刑事告発状を提出した。

■「公職選挙法に違反することはない。(SNSは)ボランティアの中で私も含めて運用していた」と知事

兵庫県 斎藤元彦知事 12月2日
兵庫県 斎藤元彦知事 12月2日
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2日午後1時すぎから囲み取材に応じた斎藤知事は、大学教授らによる刑事告発状提出について、「公職選挙法に違反することはない。(SNSは)ボランティアの中で私も含めて運用していた」と主張した。

一方で約半月前の11月19日の会見では、記者から「SNS上で論争が過熱し、選挙中に一部誹謗中傷が流れていたということについてどのように見ていたのか?」と問われた際、「街頭活動などに専念していて(SNSの投稿を)見る余裕はなかった」と語っている。

■「選挙運動の報酬として現金支払ったことは明らか。公選法違反の買収にあたる」と大学教授ら指摘

神戸学院大学 上脇博之教授
神戸学院大学 上脇博之教授

神戸地検と兵庫県警に、兵庫県の斎藤元彦知事と西宮市のPR会社の社長の刑事告発状を提出したと発表したのは、神戸学院大学の上脇博之教授ら2人だ。

上脇教授らは知事選で斎藤知事がPR会社の代表に、SNS運用や広報の企画、投票の呼びかけなどの選挙運動の報酬として、現金71万5000円を支払ったことは明らかで、公職選挙法違反の買収にあたると指摘する。

■「どう考えても選挙に主体的にかつ裁量のある戦略的なPR活動を行ったことは明らか」と上脇教授

PR会社社長のコラム
PR会社社長のコラム

神戸学院大学 上脇博之教授:このPR会社代表のnote(コラム)を拝見して、これはどう考えても選挙に主体的にかつ裁量のある戦略的なPR活動を行ったことは明らかであるし。

神戸学院大学 上脇博之教授:(コラムの)冒頭で斎藤さんがこの会社を訪れて、会社の方から提案して、それを受け入れて頂いて、全般的に広報活動を任されたという文章で始まっていますので。どう考えても真実が書かれているそういうnote(コラム)だろうと。これは全面的にこの会社に一任したものだろうと受け止めておりました。

PR会社社長のコラム
PR会社社長のコラム

神戸学院大学 上脇博之教授:斎藤知事の代理人弁護士の記者会見が(11月27日に)行われる前までは、実際に報酬が支払われたのかとか、約束があったのかという、どうも客観的なものが確認できませんでした。しかし、代理人弁護士さんの記者会見で支払いが行われたということが、公表されましたので、これはもう間違いなく報酬の支払いであると。

神戸学院大学 上脇博之教授:選挙運動に対する報酬の支払いとなりますと、これは買収、被買収が成立するということで。たぶんきょう(2日)に、おそらく選挙運動費用の収支報告書が提出されるのではないかと予想されますが、もうその前に告発できるという判断をした。

■SNSは「ボランティアの中で私も含めて運用」と知事

兵庫県 斎藤元彦知事 12月2日
兵庫県 斎藤元彦知事 12月2日

斎藤知事は、上脇教授らによる自身とPR会社社長への刑事告発状の提出を受けて「公職選挙法に違反することはない。(SNSは)ボランティアの中で私も含めて運用していた」と主張した。

-Q.上脇教授と郷原弁護士が斎藤知事とPR会社の社長を公選法違反、買収などの疑いで刑事告発したと発表したが、受け止めを。

兵庫県 斎藤元彦知事:詳細は承知していません。いずれにしても、その件については私としては公職選挙法に違反することはないと認識しています。いずれにしても代理人弁護士の方に対応をお願いしています。

-Q.2人の発表ではSNSの運用が個人のボランティアという主張は無理があるという主張だったが、知事の主張は変わらない?

兵庫県 斎藤元彦知事:そうですね、ボランティアの中で私も含めて運用していたというところです。いずれにしても公選法に抵触することはないと認識していますし、対応は代理人の弁護士の方にお任せしています。

■約半月前の会見で「街頭活動に専念。SNS見る余裕なし」と斎藤知事

兵庫県 斎藤元彦知事 11月19日会見
兵庫県 斎藤元彦知事 11月19日会見

斎藤知事は11月19日の会見で「(選挙期間中は)街頭活動などに専念していて、SNSを見る余裕がなかった」と語っていた。

-Q.斎藤知事ご自身はSNS上で論争が過熱し、選挙中に一部誹謗中傷が流れていたということについてどのように見ていたのか?

兵庫県 斎藤元彦知事 11月19日私は、ほんとに17日間、各地を走り抜けながらお昼も食べる余裕もない中で、頑張っていましたんで、目の前の県民の皆さんにしっかり接して、街頭活動と、話や握手も含めてさして頂くということに専念していましたんで、そういったところを、見る余裕がなかったというか、日々の活動に全力でやっていたということですね。

斎藤知事の代理人 奥見司弁護士
斎藤知事の代理人 奥見司弁護士

斎藤知事の代理人・奥見司弁護士は11月27日の会見で、「報酬はポスターのデザイン費などで支払ったもので、SNS運用などは社長個人としてのボランティア」と違法性を否定している。

(関西テレビ 2024年12月2日)

関西テレビ
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