浄水場からPFASを検出。公費を使っての血液検査は全国初とみられている。

岡山・吉備中央町の浄水場から、有害性が指摘される有機フッ素化合物・PFASが検出された問題で、自治体による血液検査が始まった。

対象は円城浄水場の水を飲んだ約2400人で、これまでに790人が希望している。

検査では13mLの血液を採取し、PFASの血中濃度のほか、影響が指摘されている肝機能や甲状腺ホルモンなど6項目を調べる。
環境省によりますと、PFAS問題で公費を使った血液検査は全国で初めてとみられている。

結果は、2025年1月中に通知されるということだ。
「永遠の化学物質」と呼ばれる「PFAS」
青井実キャスター:
では、立石さんとみていきます。
岡山だけでなく、各地でこの「PFAS」が検出されているんですよね。

フジテレビ解説委員室長・立石修:
「PFAS」は自然には分解されることはなく、「永遠の化学物質」とよばれています。それだけに、関心や波紋が全国的に高まっているんです。

フジテレビ解説委員室長・立石修:
この(地図上の)赤色の部分が、基準値を超えた地点になります。2022年の環境省のデータによりますと、関西地方や沖縄など全国で111の地点で、基準値超えが検出されています。
青井実キャスター:
具体的に健康への影響というのは、どれくらい考えられるんですか?

フジテレビ解説委員室長・立石修:
日本の食品安全委員会の評価書では、発がん性については「証拠は限定的」であるとしています。ただWHO は去年12月、PFASの中の一つの物質について「発がん性がある」と、4段階で最も高い評価をしています。
アメリカでも今年4月から、日本より基準値を10倍近く厳しくしています。
青井実キャスター:
対策していかなきゃいけないですよね。

フジテレビ解説委員室長・立石修:
はい。対応策としては吉備中央町が取り組んだような、水源の切り替え。
また、活性炭による浄水は有効とされています。しかし、肝心の汚染源の特定というのは、一般的に非常に難しいと言われています。
(「イット!」11月25日放送より)