愛媛県の商業施設に、全国で人気のチェーン店が相次いで出店している。低価格イタリアンから、おしゃれな雑貨店まで、地域のニーズに合わせた新たな選択肢が増えている。今回は、今治市の「そよら今治馬越」に登場した「サイゼリヤ」と、エミフルMASAKIにオープンしたインテリア・雑貨ブランド「Francfranc」を中心に、新しい商業施設の魅力に迫る。
子育て世帯に優しい施設がオープン
今治市内の商業施設「イオン今治店」が全面リニューアルし、11月15日に「そよら今治馬越」として生まれ変わった。イオンの新しい都市型ショッピングセンターで、メインターゲットは子育て世帯だ。
この記事の画像(16枚)朝9時の開店と同時に、大勢の買い物客が次々と来店した。施設内の「イオンスタイル今治馬越」では、地元野菜が並ぶコーナーやとれたての鮮魚など、売り場を充実させている。
2階には、シンプルでベーシックなアイテムを揃えたStandard Productsなど、ダイソー系3ブランドが愛媛県内で初めて同時出店した。
また、0歳児から遊べる全天候型遊び場「The Kids」などアミューズメントエリアも充実している。来店した女性客は「色んなお店が入っていてすごい充実した施設だなと思いました」と話す。別の客からは「通い詰めですね。子供も遊べるしご飯も食べられるし買い物も出来るんで」と、施設の多機能性を評価する声も聞かれた。
驚きの低価格!「サイゼリヤ」が初上陸
そよら今治馬越のリニューアルに合わせ、注目を集めているのが愛媛県内初出店の「サイゼリヤ」だ。1973年創業で、国内外に1500店舗以上を展開する人気イタリアンレストランチェーンが、ついに愛媛に上陸した。
その特長は、なんといってもリーズナブルな価格設定だ。イタリアから輸入したチーズを使用したピザが400円、うま味とコクのある野菜ペーストが添えられたハンバーグが500円と、物価高が続く中でうれしい価格だ。全部で70あるフードメニューの多くは、300円から600円前後となっている。
サイゼリヤ店舗運営本部の大川貴弘コミュニティマネジャーは、「価格が高いとどうしても豪華な食事、1日1回しか食べられない食事になってしまいますけれども、毎日でもお店に来ていただいて楽しく便利に使っていただけるそんなお店を目指しております」と語る。
西条から来店したご夫婦は「ドリンクバーもしたけどね。一緒で安かったです」「大満足です」と喜びの声を上げていた。また、学生からは「安いですね。学食より全然安くて助かります」という声も。「ペンネのアラビアータ」「アイスティー」「カプレーゼ」の3品で1060円という会計に、驚きの声が上がっていた。
海外の自社工場で大量生産した食材を利用するほか、どの店舗でも同じメニューを提供するなどしてコストを抑え、低価格を実現しているという。
店の一番人気は「ミラノ風ドリア」だ。取材した記者は「ソースがクリーミーですね。ホワイトソースが甘くて、そしてこれと絡むミートソースとの相性も抜群です」と感想を述べている。
サイゼリヤ・そよら今治馬越店の立野翔平店長は「地域に密着したお店を作れるように準備していますので、ぜひ来た際は喜んでいただけるように営業してまいります」と意気込みを語った。サイゼリヤは今後、愛媛県内でも出店を広げていきたいとしている。
人気の「Francfranc」も松前町に登場
一方、松前町のエミフルMASAKIには、人気インテリア・雑貨ブランド「Francfranc」が11月1日、愛媛県初出店を果たした。全国に150店舗以上を展開する「Francfranc」の愛媛初出店となる店舗は、エミモールの1階フローラルコートの奥に位置している。
白やピンクを基調とした広い店内には、家具や家電、キッチン用品、ファッション小物など、約3000点もの商品が並ぶ。フランスをイメージしたかわいらしいデザインが特長だ。
販売スタッフの馬渕里都さんは「きっかけとしましては、今までFrancfrancをお届けしたことないお客様がたくさんいらしゃったというところと、インテリアと雑貨を一緒にコーディネートして提案できるお店をしっかり用意できるというところで今回出店が決まった」と説明する。
来店した20代の女性2人組は「あんまりない感じの雰囲気のお店なのでかわいいな~と思いました」と話す。60代の女性客は友人へのプレゼントとしてメイクポーチとメイクブラシのセットを購入し、「彼女の好きな色がピンクだったのでかわいい!と思って思わず買いました」と喜んでいた。
馬渕さんは「やっぱり見てかわいいっていうのはそうなんですけど、他のお店にはないフランフランらしいデザインとしっかりと機能性を備えているところが魅力かと思います」と商品の特徴を語る。
注目商品の一つが、コンパクトでかわいらしい充電式カイロだ。繰り返し使えることやモバイルバッテリーとしても活用できる点が人気。さらに、2つに分けられるタイプもあり、両手で持つもよし、シェアをするもよしの万能アイテムとなっている。
また、「Francfranc」ではクリスマス気分を盛り上げるツリーや雑貨をラインナップ。店内のクリスマスグッズは300種類もあり、ツリーは小さいサイズから大きいサイズまで、スペースや使う場面に合わせて選ぶことができる。装飾も一つずつ買うことができるので、自分好みのツリーをカスタマイズするのも楽しい。
30代の男性客は9か月の子どもを連れて来店し、「クリスマスがちょうどなのでこのオーナメントとか見に来た感じです」「かわいいのが多いのでいいですね」と話していた。
馬渕さんは「やっぱりインテリアのショップなので、おうちにあるインテリアとフランフランにある商品を一緒にコーディネートして、どういう風にかわいい空間が作れるかっていうところを私たちスタッフも一緒に提案できるとすごく嬉しいなと思っております」と意気込みを語った。
地域のニーズに合わせた施設作り進む
これら全国チェーン店の進出は、地域の活気や新たな顧客の獲得につながるか注目される。子育て支援に力を入れる今治市の特性を反映した「そよら今治馬越」、若年層の顧客獲得を狙うエミフルMASAKIの「Francfranc」など、地域のニーズに合わせた施設づくりが進んでいる。
地域の需要に合った施設作りが見える一方で、新たなファンの増加や他のテナントへの波及効果も期待されている。これらの新しい商業施設が、地域の活性化にどのようにつながっていくのか、今後の展開が楽しみだ。
(テレビ愛媛)