インフルエンザの流行期が近づく中、2024年から、子どもを対象に新しいタイプのワクチンの接種が始まった。注射ではなく鼻にスプレーするタイプで長野県内の医療機関でも扱っている。気になる効果や費用はどうなのか。

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左右両方の鼻に噴霧するワクチン

長野県安曇野市の穂高ハートクリニック。市内に住む5歳と2歳のきょうだいがインフルエンザワクチンの予防接種に訪れた。

注射を怖がる子どものためにと、母親が希望したのは新しいタイプのワクチン。

「痛くないからね、痛くないよ、鼻のところシュッとやるだけ」と、医師が子どもに優しく声をかける。

ワクチンを鼻にシュッ
ワクチンを鼻にシュッ
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接種した子どもの反応はー

母親:
「全然いたくなかった?。よかったね」 「お水がシュッてきたの?」

子ども:
「(うなずく)」

母親:
「匂いはしない?」

子ども:
「(うなずく)」

左右両方の鼻に噴霧するワクチン「フルミスト」。

インフルエンザワクチン「フルミスト」
インフルエンザワクチン「フルミスト」

2023年、国の承認を受け、10月から2歳から18歳までの子どもを対象に接種が始まった。

こちらのクリニックでも取り扱っていて、これまでに10人以上の予約があった。

「痛くない、注射嫌いな子供には」

穂高ハートクリニックの太田敬三医師は「注射嫌いなお子さんには大変いいワクチンだと思います。全く痛くなかったと言って喜ばれている方もいらっしゃいます」と話す。

痛くないとわかりケロリ
痛くないとわかりケロリ

注射を怖がって泣いていた下の子もー。

痛くないとわかり、すぐにケロっとしていた。

1回の接種で済むことがメリット

販売元の第一三共によると、「フルミスト」は「生ワクチン」という種類で、弱毒化したウイルスを鼻の粘膜に直接噴霧することで体の中に抗体を作る。

従来のワクチンは2回接種が推奨されているが「フルミスト」は1回の接種で済むことがメリット。

太田医師は 「有効性に関しては、従来のワクチンと同等の有効性があるというふうに言われています。簡便になって、回数も減ったということはよかった点だと思う」と説明する。

フルミストは鼻の粘膜に抗体を作る
フルミストは鼻の粘膜に抗体を作る

ただ、副反応として鼻づまりなど風邪のような症状が出ることがある。ワクチンに含まれる弱いウイルスは感染する可能性もあり、周囲に授乳中の人などがいる場合は従来のワクチンを推奨している。

費用は従来のワクチンより高く

費用も若干上がる。こちらのクリニックでは1回9900円としていて、市からの補助金2000円を差し引いた7900円を支払うことになる。従来のワクチンより2900円高くなっている。

母親は 「2人を連れて病院に来るのが手間なので特に問題なければ来年も同じように『鼻』の方でやると思います」と話す。

インフルエンザワクチン接種にかかる費用(穂高ハートクリニックの場合)
インフルエンザワクチン接種にかかる費用(穂高ハートクリニックの場合)

「フルミスト」の供給量はまだ全体の5%ほどと少ないため、太田医師は接種を希望する場合は、早めにかかりつけ医などに相談した方がいいとしている。

(長野放送)

長野放送
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