TSUTAYAが、ピラティスやヨガを体験できる場を本格展開。体を整えることを目的とし、読書と運動を組み合わせた新しいライフスタイルを提案する。気軽にピラティスなどが楽しめる、心と体を整える新しい提案とは。

新しいTSUTAYAは“運動もできる”複合型空間

「そうだTSUTAYAに行こう」、そう聞くと皆さんは何をしに行くところを想像するだろうか。本を買う?ビデオを借りる?

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2024年10月にオープンした店舗「TSUTAYA Conditioning PILATES 千葉船橋店」に行ってみると、TSUTAYAでピラティスが行われていた。

カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する「TSUTAYA Conditioning(ツタヤ・コンディショニング)」は、10月28日に開かれた戦略発表会で、現在の10店舗から、2027年度には200店舗までに拡大する計画を発表した。

ここでは激しい運動用ではなく、ヨガやピラティスなど、体を整えるための器具やプログラムが用意され、その合間には読書も楽しめる。

人生100年時代と言われ健康寿命の延伸に向けて関心が高まる一方で、人口におけるジム利用者の割合は高くないとみて、30代から50代の女性でジム未経験者をターゲットにしていきたいとしている。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ 髙橋誉則社長兼CEO:
もしかしたら5年後は「TSUTAYAに行こう」と言ったら、本とコンディショニングで整えに行くというイメージができている世界かも。

「TSUTAYA Conditioning」は、都市部を中心に出店し、地方や郊外にも展開する方針だ。

おしゃれ空間で運動を習慣化しやすい工夫

「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
ウェルネス事業の展開、どうご覧になりますか。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
CCCの強みの一つは、カルチャーの創造、そして提案力です。そのため、CCCは自らを「カルチュア・インフラを作っていくカンパニー」と呼んでいます。

今回のジムは、人々が健康的でハッピーに暮らせるライフスタイルの提案であり、これまでにないカルチャーの提案のように思います。

堤キャスター:
従来のフィットネスジムと、なにが違うのでしょうか。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
例えば、痩せたい、健康をキープしたいなど、なりたい自分になるために、皆さんジムに通う訳です。実際、フィットネス業界の市場は成長を続けています。

でも、ジムに通い始めても、これを続けていくことはなかなか難しいですよね。この課題をクリアする提案として、コンビニ感覚で気軽に通えるジムが歓迎されています。

今回のCCCの提案にも、通いたくなる場所、つまり、運動を習慣化させる仕掛けがあるように思います。

堤キャスター:
通いたくなるとは、具体的にはどういうことでしょうか。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
今回のライフスタイルジムは、体を鍛えるというよりは、おしゃれなブックカフェに行く「ついで」に、気軽に運動ができるように思います。

運動だけが目的なら億劫になることがありますが、カフェや書店も一緒に楽しめるなら、通いやすい。つまり、運動を習慣化しやすいはずです。

データ活用で最適な健康管理サービスを提供へ

堤キャスター:
おしゃれな空間で、心と体を整えることに惹かれる方もいるかもしれませんね。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
今回のジムが人気になると、CCCのもう一つの強みであるデータサイエンスを活かす展開も可能になるのではないでしょうか。Vポイントという巨大なプラットフォームを持っているCCCに健康に関するデータが加わると、強みを増すことになると思います。

未来のヘルスケアの世界観では、日常生活を通して健康データが取得、そして分析され、本人の状態や趣向に合わせたサービスが暮らしに組み込まれていくとされています。人生100年時代を迎えて、心と体を整えるライフスタイルが定着していくことに期待したいです。

堤キャスター:
何かを続けていく上で、無理なく続けられるということはとても重要だと思います。気軽に利用できて、心地よく心身のバランスを整えられる場所が増えていくことを期待したいです。
(「Live News α」10月28日放送分より)