2024年に入ってから首都圏で相次ぐ“闇バイト”による強盗事件。
そのうちの1つの情報が「イット!」に寄せられた。
千葉県内の住宅で、闇バイトで集まった犯人グループによる、強盗目的とみられる事件だ。
犯人と“ニアミス”した被害男性は、その恐怖の瞬間と詳細を語ってくれた。
「まさかうちに来るとは」恐怖の夜
「イット!」に寄せられた情報は、相次ぐ強盗事件に関連したもので、千葉・船橋市、白井市、市川市の強盗と手口が似ている未遂事件が、10月14日午前2時ごろ起こっていた。
内容は、10月14日の未明に、千葉・鎌ケ谷市で起きた強盗目的とみられる事件についてだった。
番組は、被害者を独自取材した。
被害者:
怖いの一言です。まさかうちに来るとはまったく予想してなかったので、現実になると相当怖いですね。足震えました。必要以上に声が出てたというか、棒も持ってたので。棒で床とかたたきながらいったので夢中でしたね。
被害男性は、犯人と“ニアミス”したくわしい状況と、恐怖の夜を初めて明かしてくれた。
「ガッシャーン」ガラス割れる音が
現場は、夫婦と4人の子ども、さらに高齢の母親が住む二世帯住宅だ。
事件発生時、夫婦と子どもたちは2階にいて、1階には高齢の母親が1人で寝ていたという。
最初に異変に気づいたのは、被害に遭った男性の妻だった。
被害男性:
夜中の2時ごろに女房が起きていたので、物音に気づいて(2人で)1階に下りていった。
妻に起こされた男性は。近くにあった棒を手にし、1階へ。
その途中で、異様な音を耳にする。
被害男性:
ドーンドーンという大きな音が2回して、その後、ガラスの割れる音がしたので、下の玄関まで下りていった。かなり大きなガラスなので、もうガッシャーンっていう感じでしたね。
「見つかった」犯人逃走
物音は母親側の住宅でしていたため、男性は棒で床をたたきつつ、大声を上げたという。
被害男性:
もう怖かったので、ドアを挟んで「誰かいるのか!」って言ったら、犯人が「見つかった」って声を出して逃げていきました。必要以上に声が出てたというか、棒も持ってたので、棒で床とかたたきながらいったので、夢中でしたね。
また実行犯は、声から若い男性だったという。
被害男性:
姿も何も見ていないので、声の感じからして若い人なのかなって言うのは分かりましたね。男性です。2階から下に下がる時に、女房がスマホもって降りてきて、途中からすぐ電話しはじめたので、逃げたあとすぐ警察が来てくれました。
結局、犯人グループは何もとらず逃走。
1階にいた母親も、けがなどはなく無事だった。
犯人の血痕がいたるところに…
被害男性は「怖かったですね。逃げてくれたからよかったですけど、もし向こう(犯人)から来てたと思うと、どうなってたかと怖くなりますね」と語る。
これは、事件後に男性が撮影した現場の写真だ。
窓ガラスが割れた室内に、本来は庭に置いてあったブロックが転がっている。
犯人は侵入の際、けがをしていた。
「犯人の血がポタポタと廊下に垂れていたんですね。(血痕は)割られたガラスのところから廊下とか、玄関の間にあるドアノブにもついてました」と話す被害男性。
「闇バイトに応募」20代男が出頭
警察は、住居侵入の疑いで捜査を開始した。
するとその日のうちに、逃走していた犯人の1人が、千葉県内の警察に出頭したのだ。
逮捕されたのは、東京都に住む20代の男だった。
男は調べに対し、「闇バイトに応募し、盗み目的で入った」と話し、容疑を認めているという。
警察は、闇バイトによる一連の事件の1つとして捜査している。
「真面目だと思うんですけどね…」実行役の父親語る
容疑者が続々と逮捕されている、こうした闇バイトによる強盗事件。
神奈川・横浜市で起きた強盗殺人事件の実行役として、逮捕されたのは、自称・個人事業主の宝田真月容疑者(22)だ。
闇バイトで集まった仲間らと、横浜市内の住宅に押し入り、住人の男性を暴行して、殺害現金20万円などを奪った疑いが持たれている。
宝田容疑者と同居する父親は、「働き始めは高校中退ですね。最初は、とび職関係(の仕事)、そこから塗装関係に。真面目だと思うんですけどね、ちょっともう、頭の中が整理つかなくて…どうやってこれから罪を償うのか…」と話した。
「ホワイト案件」SNS投稿見て応募
塗装関係の仕事をしていた宝田容疑者。
動機について、「税金の滞納金があり、短期間で稼げるバイトを探していた」、「初めて闇バイトに応募した」と供述しているという。
宝田容疑者は、SNS上で「ホワイト案件」という投稿を見つけ、指示役に身分証などを提示したという。
その後、犯罪に加担すると分かったものの、「家族にも危害が加えられるかもと考え、断れなかった」などと供述しているという。
横浜市の現場からは、千葉・市川市の事件で逮捕された、藤井柊容疑者の指紋も見つかっている。
一連の強盗事件では、指示役が秘匿性の高いアプリで実行役を集め、犯行を細かく指示していたとみられている。
そのため、警察は実行犯の携帯電話の解析を進めるなどして、指示役の特定を急いでいる。
(「イット!」10月21日放送より)