いつも野犬の保護活動を手伝ってくれている息子たちも賛成してくれて、初めて迎える猫だった。

だが、やってきた夜に一緒に寝た次男の布団におしっこを盛大にしたり、長男の制服にうんちを隠したりと、いろいろやらかす猫だった。
「最初からデキたリーダーではなかった。次々と新入りが来て、どんどん落ち着いた頼れるリーダーになっていって、もうびっくりです」と、次男くんは感慨深げだ。
シェルターには、週替わりのごとく、卒業しては、新入りが入ってくる。1年間で送り出す犬猫は40匹前後にもなるという。
初代から役を受け継ぐ
動物の共同生活で、いいリーダーがいることは必須だ。シェルターを始めるきっかけとなり、初代リーダーとなってくれたのは、センターの最終部屋にいた柴犬の「このは」だった。
彼女の老年期に、シェルターにやってきた初めての猫であるコタロウを、このはは慈しんで育てた。このはが亡くなる直前まで、コタロウは添い寝をして介護を尽くした。

このはからシェルター長を引き継いだコタロウは、天職とばかり、みごとな働きぶりを発揮する。威厳があるが威張らず、分け隔てもないので、野犬の子たちが一目置くのだ。