四大陸選手権に選ばれた5位の佐藤と6位の差は歴然だった。
さらに今年8月、熱を帯びたパリ五輪の隣、イタリア・ミラノで行われた代表強化合宿に男子トップ4人が参加したが、友野は召集されず、悔しい思いをした。
「順位って大切」と感じた半年間
2024-25シーズンが始まり、全日本選手権のスタートとなる近畿選手権前に友野に話を聞くことができた。
昨シーズンの全日本6位という結果が、大会派遣や代表強化合宿の選抜に影響していることを尋ねると、友野はこう話す。

「ミラノ合宿に行けなかったのは、もちろん悔しいですが、そこまでマイナスではないかな。ただ“順位って大切だな”と、すっごく感じた半年間でした」

「『メダリスト・オン・アイス』や『ドリーム・オン・アイス』も久しぶりに出ませんでしたが、お話はいただいて。『メダリストであるとか、結果ではなく、どうですか?』と言われましたが、自分の中で“結果がすべて”だと思っていますし、胸を張って出たい気持ちがありました」

「“みんなが全力出したときの今の立ち位置を知りたい”が昨シーズンで、それが叶ったシーズンでした。今年はみんな点数もどんどん上がってきて、自分も成長できている実感はあります。ただ、みんなもそれ以上のスピードで成長していると思います。僕は今、悔しい思いをして、自分と向き合いながら修行している感覚で、でもすごく充実した日々を送ることができています」
今シーズンのテーマは「殻を破る」
「僕はあの順位で良かったと思っていますし、自分も一皮むけました。ただ日本で勝ち抜くには、世界で勝てる選手になるには、まだまだ足りないものがある。それを知ることができたシーズンだったのであまり後悔はない」

9月30日に行われたシーズン記者会見で、友野は「羽化」とテーマを掲げた。