15日公示された衆院選だが、各党が掲げる公約の1つが「年金政策」。
年金受給者たちは今回の選挙戦、どんなところに注目しているのか取材した。

生活への不安…“若い世代の負担増”心配する声も

きょう15日は、2カ月に一度の「年金の支給日」。

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東京・巣鴨の金融機関には、多くのシニア層の姿があった。待望の年金支給日とあって思わず頬も緩む。

80代女性:
きょうは(年金)たくさん入りました(笑)主人が結構もらってる。私も35年務めたファッションの仕事。月に20万月くらい18万円?(主人は)経理士です。

77歳女性:
年金おろしに来ました。2カ月で12万、ひと月だと6万くらい。(使い道は)医者代や、たまに買う洋服代。お茶は月一くらい。

高齢者の生活を支える「年金」について15日に公示された第50回衆議院選挙で各党の公約が気になるところだ。

石破政権発足後、初となるこの選挙で各党が発表した公約内容をみると、自由民主党「基礎年金の受給額の底上げを図る」、公明党「基礎年金の給付水準の底上げに取り組む」、立憲民主党「低所得の高齢者に一定額を上乗せして給付」、日本維新の会「年金は抜本改革。世代間不公平を打破する」、共産党「低年金の底上げ。最低保障年金の導入」、国民民主党「『給料・年金が上がる経済』を実現」、れいわ新選組「年金を底上げする」、社会民主党「高齢者が安心して暮らせる年金を」、参政党「公約に記載なし」といったように、様々な“年金に関する公約”が掲げられた。

そこで、当の年金受給者の皆さんが思う“衆院選の争点”について各地で聞いた。

多くの高齢者で賑わう巣鴨の商店街。
創業は江戸末期という老舗の和菓子店では、支給日に“自分へのご褒美を”と訪れた高齢者がいた。

73歳女性:
甘いもの食べるとほっこりします。年金だけだと生活できませんよ。

年金の支給額に不満がある方も多いようで、選挙に「生活に充実」を求める声も上がっていてる。

70代女性:
使い道を考えるほど年金もらってない。介護保険料で天引きされてしまうので、2カ月に1回振り込まれるのは12万円ぐらい。もう少し希望を持てるような世の中をなんとか。

続いて向かったのは、シニアが出場するソフトテニス大会の会場。

86歳男性:
86歳、今日は最高年齢者ということで。

86歳で現役選手の男性。年金支給額についてはこう話す。

86歳男性:
月20万円。多い方じゃないですか。
ーー総選挙の争点は
やはり若い人の赤ちゃん、子育て。そういうのをもう少し、託児所とか老人施設とかに力を入れてほしい。

出場したシニア世代の多くからは、「子育てのしやすい環境整備」などについて注目したいとの声があがった。

63歳女性:
子どもにかけるお金といいますか、その辺が充実すると、子どもも増えて税金も増えてってなると、年寄り世代も潤ってくるのかなと。

そして、驚きの“特売価格”の商品が並ぶ埼玉・越谷市の激安スーパー「スーパーマルサン越谷花田店」。

80歳女性:
お肉やお魚、野菜も新鮮で安い時は買っている。

少しでも安く買い物を!と、多くの年金受給者が来店していた。

74歳女性:
(卵)買っていこうかな。(年金)1カ月としては月6万円欠けるかな。
ーー選挙での注目点は?
物価はだんだん高くなるし年金減るしで困ってる。

75歳男性:
年金は年間100万円くらい、(月)9万円弱かな。安いビールを買って1杯飲むぐらいが贅沢。年金を少し増やして欲しい。贅沢と言うとオーバーだけど、少し楽に生活できれば。

80歳男性:
年金は、2カ月で45万円くらい。
ーー衆院選の争点は?
(年金が)極端に5桁(10万円以下)の人がいるでしょ、何とかしてもらいたい。そういう人たちをもうちょっとフォローしてもらいたい。

年金についての公約が気になるとの声の一方で、“若い世代への負担増”を心配する意見も聞かれた。

70代男性:
年金あればあるでありがたい。その分をどこかから(原資を)持ってこないといけないからね。

69歳男性:
年金上げるのはいいけど、次の世代に借金がいっちゃうから、それはどうなのかなと思います。

物価上昇が続く中、生活を守るための選択は?衆議院選挙の投票日は27日で、即日開票される。
(「イット!」 10月15日放送より)