「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家男性に、何らかの方法で覚醒剤を摂取させて殺害した罪に問われた元妻の裁判員裁判で、「覚醒剤の売人」という人物が証人として出廷し、元妻とみられる女性に「覚醒剤を4グラムから5グラム売った」と証言した。

須藤早貴被告
須藤早貴被告
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■「覚醒剤摂取させて殺害した罪」問われ 元妻は「無罪です」と主張

須藤早貴被告(28)は2018年、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の野崎幸助さん(当時77歳)に、何らかの方法で覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われている。

須藤被告と野崎さん
須藤被告と野崎さん

これまでの裁判で須藤被告は起訴内容について、「私は社長(野崎さん)を殺していませんし、覚醒剤を摂取させたこともありません。私は無罪です」と主張していた。

■状況証拠を積み上げて起訴 覚醒剤の入手方法の立証などが注目されていた

警察や検察は、直接的な証拠がない中で、野崎さんが覚醒剤を摂取したとみられる時間に自宅にいたのは、野崎さんと須藤被告の2人だったことや、須藤被告がインターネットで覚醒剤について調べていて、密売人とSNSを通じて接触したとみられることなど、状況証拠を積み上げて須藤被告を殺人などの罪で逮捕・起訴。

裁判では、覚醒剤の入手方法などについて、検察側がどう立証していくのか注目されていた。

■『覚醒剤の売人』という人物が被告とみられる女性に「覚醒剤を4グラムから5グラム売った」

10月1日の裁判には、覚醒剤の売人だという人物が検察側の証人として出廷し、証人尋問が行われた。

この人物はパーティションに区切られた中で証言。

売人は当時、仲間とともにインターネットの『裏掲示板』で覚醒剤を販売していて、検察側の証拠によると、覚醒剤の売買があった日、須藤被告と密売人仲間との間で通話履歴が残っていて、検察側は売った相手は須藤被告とみている。

須藤早貴被告
須藤早貴被告

証言内容は以下のようなものだった。

<検察側の質問に>

・2018年4月7日の深夜から8日にかけて、田辺市で女性に会い、覚醒剤を4~5グラム売った。

・客は「女性」、「身長164センチくらい」

・覚醒剤を手渡す際、売人は女性から「旦那に知られないようにしている」という話を聞いた。

・女性が普段から覚醒剤を使用しているようには見えなかった。言動もしっかりしていた。

須藤早貴被告
須藤早貴被告

一方、弁護側は、売人が去年5月になるまで、警察の調べに対し、自身が販売した覚醒剤が本物だったかどうか、供述していないと反論した。

今後も証人尋問が続き、判決は12月12日に言い渡される。

関西テレビ
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