過去最多9人が立候補した自民党総裁選の投開票が9月27日に行われ、決選投票を経て石破茂元幹事長が新たな総裁に選ばれた。全国の党員票では高市氏が最も多くの票を獲得したが、熊本県内の党員票は石破氏がトップだった。
熊本県連の党員票は石破氏がトップ
過去最多9人による自民党の総裁選。情勢で優位に立つ高市経済安全保障担当大臣、石破元幹事長、小泉元環境大臣のうち、誰と誰が決選投票にコマを進めるのか、注目が集まった。

国会議員票と全国の党員・党友票による1回目の投票では、いずれの候補も過半数に届かず、高市氏と石破氏との決選投票の結果、石破氏が新たな総裁に選ばれた。

自民党 熊本県連が9月27日に開票作業を行った、熊本県内分の党員票の得票数は、全国の党員票で最も多くの票を獲得した高市氏を石破氏が452票上回り、トップとなった。

この結果、決選投票で熊本県連に割り振られた1票は石破氏に投じられた。投票率は64.95パーセントで、前回3年前の総裁選を1.10ポイント下回った。

熊本県連で幹部とともに決選投票の様子を見守った前川收会長は「熊本県連にとっては石破茂さんはとても縁が深い。石破さんの長い政治キャリアの中で頑張っていた部分の一つはよく地方に足を運んでいただいていた」と新総裁と熊本の縁について話した。

また、前川会長は「非常に地方に対する思いをしっかり持っていた方。その思いが最終的に地方票でも勝ち、国会議員票でも勝ち、僅差ではあるがそういう結果になったのだろう。地方創生が大事だと今回の選挙でも訴えていた。熊本に限らず地方が元気になってくれる政策を前に進めてほしい」と期待を寄せた。
石破新総裁に熊本県民や政党の反応は
熊本県民は「いいと思う、私は。信念があるのではないかと思う」や「良かったと思う。変化があるんじゃないか。今までにない人が上に立ってもらったほうが。とても真面目そうで良い方だなと思った」と好感を持つ人も。

一方で、「高市さんが初の(女性)首相になる可能性もあったので、『また男性なのかな』と思った。(高市さんだったら)変わるのではないのかな。ターニングポイントになり得る総裁選だったのでは」や「僕はちょっと残念だった。高市さんに期待していた。日本を守る雰囲気が好きだった。安倍さんの継承という意味でも。やはり経済問題は強い日本であってほしいと思う」と、高市氏を望む声も聞かれた。

熊本県内の政党の反応は、公明党 熊本県本部の城下広作代表は「石破氏と新しく公明党の代表となる石井氏の新たなカラーで連立与党を組み、防災対策や経済対策など国民の安全安心に向けた政策を進めてほしい。TSMC進出で注目を集める熊本にも引き続き様々な支援をお願いしたい」と述べた。

一方、立憲民主党 熊本県連の鎌田聡代表は「今回顔だけが変わられて中身が変わっていくことは期待できない。能登半島の元日の地震に続く豪雨ということで、臨時国会で補正予算をしっかり組んで、その後、解散するのかどうなのかを判断して動いてほしい」と述べた。
熊本県選出の国会議員の総裁選投票先
今回の自民党総裁選、熊本県選出の国会議員が誰に投票したのか。本人や関係者への取材などにまとめた。

衆議院
熊本1区 木原稔防衛相 1回目・茂木さん 決選投票・高市さん
熊本2区 西野太亮議員 1回目・小泉さん 決選投票・態度明らかにせず
熊本3区 坂本哲志農水相 1回目・河野さん 決選投票・河野さん(G7農相会議のため事前投票)
熊本4区 金子恭之議員 1回目・林さん 決選投票・石破さん
参議院
熊本選挙区 松村祥史防災担当相 1回目・態度明らかにせず 決選投票・態度明らかにせず
熊本選挙区 馬場成志総務副大臣 1回目・林さん 決選投票・石破さん
(テレビ熊本)