よさこいが熱く彩った高知の夏。初めてよさこい祭りに出場した四万十市のチームは本番前後も大混乱。2024年が最後の出場というチームは、26年の感謝を踊りに込めた。それぞれのよさこいが観客に感動を届けた。
地方車ギリギリ?初めての祭り本番前
四万十市で初めてというよさこいチーム「四万十市踊り子隊」は、子どもも大人も障害者も誰でも気軽に踊ろうというのがモットー。
この記事の画像(11枚)四万十市から会場へ向かう毛利修三代表も「ドキドキわくわくですね」と語った。
昼前には旭演舞場に到着したが、地方車(じかたしゃ)はまだ未完成だった。
「地方車、ギリギリ。あと、照明の配線だけ」と藤村龍介副代表が話した。毛利代表は「なんとかなります。なせばなる」と前向きだ。
踊り子たちは暑さの中、初めての出番を待った。
東京都からやってきた「ちるらむ」も初出場のチームだ。
三浦史恵副代表は「東京花火」というチームに所属していたが、「もう一回高知でよさこいをやりたい」という話に共感した人たちが集まってチームができたという。
よさこい祭り前には「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、心配もあったが、「やっぱり高知に来たいという思いが強かった」と話す。
ちるらむ・青木龍一副代表:
ハザードマップの確認ですとか、緊急時の対応ですとか、その辺を徹底したおかげでみんなついてきてくれた。
四万十市踊り子隊の初踊り「来年も」
よさこい祭り初出場の四万十市踊り子隊は、夕立の中、初日は高知城演舞場で踊りを見せた。
耳が不自由だという女性は音が聞こえないため、体で音楽を感じながら、周りの踊り子の動きを見て振りを合わせた。
その後、予定にはなかった京町演舞場でも飛び入りで踊った。
その様子を見ていた店頭の女性2人も「えいことですよ。一生懸命踊ってね、涙が出そうになりました」と話した。
出番を終えた踊り子隊は、次にどこへ行くのか混乱した様子…。
毛利代表も「どうしよう、どうしよう」と会場確認の電話がつながらず焦りの表情だが、最後の演舞を終えた踊り子たちの胸にはメダルが輝いた。
「(来年も)踊るように、やります」と話す車いすの男性も、大きなメダルを胸にかけていた。
毛利修三代表も「ここまでやれたこと、本当にありがとうございました」と最後は安どした様子で、四万十市踊り子隊の初めてのよさこい祭りが終わった。
26年の感謝「てんてこ舞」の踊り
初出場のチームがあればこれが最後の夏になるチームもある。
結成から26年、障害者と健常者が一緒に踊るバリアフリーチーム「てんてこ舞(まい)」だ。
森正男統括によると「スタッフの高齢化」のため、2024年が最後の出場となったが、「若い世代に引き継いで、数年後には復活を目指したい」という。
26年間の活動で、バリアフリーという意識を広めるひとつの力になれたのではとスタッフは振り返った。
てんてこ舞のフィナーレの舞台は帯屋町演舞場だった。26年間の感謝を込めたラストダンスを見せる。
てんてこ舞・森正男統括:
感無量です。ありがとうございます。この声援で26年間、私たち活動できましたので、本当にありがとうございました。戻ってまいりますので、待っててください。
再起を誓いながら、てんてこ舞の夏は終わった。
(高知さんさんテレビ)