「よさこい祭り」の本番まで2週間を切った7月29日。多くの物流トラックが止まっている駐車場の一角では、鳴子の音が響いていた。「旭食品」の通し練習が行われていたのだ。
平均年齢23歳 10代の踊り子増える
2023年に金賞に輝いた「旭食品」は、2024年で39回目の出場。1998年から3年連続で大賞を受賞した記録はいまだ破られていない。

144人の踊り子全員が女性であるという特徴に加え、2024年は平均年齢が23歳と例年に比べ10代が多いという。初参加となる踊り子は「旭食品のYouTubeを見て、今年は絶対に踊りたいって思って参加した」と話した。

旭食品よさこいチーム・竹内孝三郎団長は「去年、YouTubeとかで見ていただいて若い子が多くなったので覚えも早く、かなり早い段階で仕上がったので、今年はなかなかいいんじゃないかなと思います」と自信をのぞかせた。

また、初参加となる高校2年生の踊り子2人は旭食品での参加を決めた理由について、それぞれ「去年の旭食品の演舞を見て、全体がそろっていてみんなの笑顔に魅了されたので」「去年の華やかな衣装、紅白できれいだなと思ったので旭食品に決めました」と話した。
社員兼踊り子「みんな支えてくれる」
旭食品の2024年のテーマは「フジイロ」。日本一高い富士山のように1番を目指し、女性の象徴ともいわれる“藤の花”のようなしなやかさを表現する。

6月から週4回のペースで始まった練習は本番を目前に控え、通し練習を行っていた。一番の見せどころは、旭食品の踊りに欠かせない「ファンベール」だ。

チームには社員兼踊り子が4人いる。そのうちの1人で入社4年目の濱田紫乃さんは「自分の通常業務と、よさこいの業務を兼ねているので、やっぱり夏場はいつも以上に忙しくなるんですけど、仕事が終わってこの練習に来ると、しんどいなって思う時も踊り子のみんなが支えてくれるので頑張ろうという気持ちになります」と話した。

濱田さんは2023年からチームの運営に携わり、2024年は衣装や曲の制作などにも関わった。濱田さんは「会社を背負ってチームの制作から今年はやらせてもらって、旭食品がよさこい大賞を取っているところを他の社員さんにも見てほしいと思っています」と意気込みを語った。
祭りを「フジイロ」に染め、頂(いただき)を目指す
楽曲は三味線とドラムを合わせ、しなやかさや力強さを表現。 4年目の踊り子にチームの自慢について聞くと、「アットホームです!本番はみんなで全力で頑張りたいと思います」という。

振付師・Kyonaさんは「今年は事前に、SNSに最初の踊りをあえてアップして(観客の)みんなに覚えてもらい、最初の振りとサビも比較的踊りやすい振りになっているので、皆さんで一緒に鳴子を鳴らしながら踊っていただけたらいいなと思います」と話した。

また、竹内団長は「踊り子の笑顔いっぱいで、高知の皆さんに喜んでいただければ。踊りの方もけっこうキレているので、大賞目指して頑張りたい」と意気込みを語った。
おまちをしなやかで優美な「フジイロ」で、よさこい祭り本番では2024年は金賞を受賞した。
(高知さんさんテレビ)