猛暑日263地点 40℃に迫る危険な暑さ

立ち上る陽炎。8月20日も列島はうだるような暑さに包まれた。

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最高気温が38.6℃となった京都市。鴨川では、涼を求める人たちの姿があった。

男の子:
水につけたら気持ちいい。楽しい!

最も暑かったのは、滋賀県東近江市。40℃に迫る最高気温39.2℃となった。

また、最高気温33.7℃を観測した鹿児島県奄美市名瀬では連日の猛暑で川が干上がってしまった。

その干上がった川のわずかな水たまりには、ウナギが身を寄せ合う姿があった。

この暑さは、東北の各地も例外ではない。福島県伊達市でも38.2℃を観測。

女性:
ちょっと汗がやばいです…

20日、全国で最高気温35℃以上の猛暑日となったのは263地点。

東京も猛暑日一歩手前の34.8℃まで気温が上昇し、東京消防庁管内では、午後3時までに81人が熱中症とみられる症状で搬送された。

手のひらの「AVA血管」を冷やすのが効果的

危険な暑さが続く今、大切になってくるのが熱中症の対策だ。

男性:
熱中症になりやすくて、水分も結構取らないといけない。

そんな中、新たな熱中症対策が注目されている。

神戸女子大学 家政学部 平田耕造教授:
熱中症対策として、手のひらを冷却していただくのもとても効果的だと思います。

なぜ「手のひら」なのか?理由は特殊な血管だという。

神戸女子大学 家政学部 平田耕造教授:
手のひらや足の裏には、AVA血管というものがあります。AVA血管を積極的に冷却するのも効果的な方法です。

手のひらにある動脈と静脈をつなぐ「AVA血管」。太さは毛細血管の10倍にもなる。そのため、この結果を冷却することで大量の血液が冷やされ、体温の上昇が抑えられるというのだ。

12℃冷却のグローブ 効果を検証

この効果に目をつけたのが、スポーツメーカー大手のデサント。手のひらを冷却するグローブ「コアクーラー」(両手用 税込み3960円)を開発した。(※在庫僅少のため在庫がない場合あり)

その効果はどれほどのものなのか?検証することに。

まずは、手に何もつけず一定時間歩く。次にこのグローブをつけて、同じ時間を歩く。果たして違いはあるのか?

小澤陽子キャスター:
ちょっと違います。すごい!日差しが強いので暑いは暑いのですが、さっきのような体全体のほてりが軽減されている気がします。

歩いた後の表面温度をサーモカメラで見てみると、右側がグローブで手のひらを冷却した時の様子。手から腕だけでなく、額や鼻の部分も温度が下がっていることがわかる。

この手袋に使われているのは、シャープが独自開発した蓄冷材。快適と感じる12℃をキープするという。

デザントジャパン エキップメントMD課 井上大輔課長:
冷たすぎると血管が収縮しすぎてしまうので、効率的に血流が流れていかない。ですから、12℃前後というこの温度が非常に良い。我々がサポートしているアスリートにも使ってもらっています。

しかし、街ゆく人からはこんな疑問の声も…

女性:
冷たくなるタオルを首に巻くとか知っているけど、初めて聞きますね。

アメリカのスタンフォード大学の研究でも、首や脇よりも手や足などを冷やした方が、効率的に体温が下がるという結果も出ている。

では、日常生活の中で手のひらを適温に冷やすには、どうしたらいいのだろうか?

神戸女子大学 家政学部 平田耕造教授:
手近にあります冷えたペットボトルを握って、外出していただくのも1つの方法だと思います。

(「Live News it!」8月20日放送分より)