佐賀県の老舗漬物店が新開発 ドライフルーツのかす漬け

佐賀・唐津市にある老舗漬物店が、伝統のかす漬けの技術を活用し、新食感の商品を開発した。
“ごはんのお供”のイメージを覆すこの新商品、将来は「売り上げの柱に」と期待されている。

パイナップルにキウイ、そしてリンゴ…
普通のフルーツに見えるが、実は“漬物”。

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唐津市にある明治中期創業の「玄海漬」は、玄海地区の伝統食「酒かす」にクジラの軟骨を漬けた玄海漬が人気の老舗漬物店。

そんな老舗漬物店が7月30日から本格的に販売を始めたのが、ドライフルーツのかす漬け。

玄海漬・髙田庄一朗社長:
通販が今、主なんですけど、リピートの方が多いです

本来かす漬は、酒かすに魚や野菜などを入れて1週間漬け込む。

一方、ドライフルーツのかす漬は、創業以来受け継がれている「玄海漬」特製のかすを薄く塗った上に和紙を敷き、ドライフルーツを包んでパッキングし、真空状態にする。

玄海漬・髙田庄一朗社長:
真空した状態から1日~2日ぐらいで漬かっている状態になる

ーー店頭に並ぶのは?

玄海漬・髙田庄一朗社長:
3日目から。和紙をめくってもらうと、そのまま召し上がっていただける

なぜ”ドライフルーツ”なのか? どんな味?

ドライフルーツのかす漬けは、パイナップル・リンゴ・キウイの3種類で、1つ648円で販売されている。

ヨーグルトに混ぜたり、ワインや紅茶と一緒に食べるのがオススメだという。

一体どんな味がするのか?

橋爪和泉アナウンサー:
ドライフルーツなのにジューシーです!かめばかむほど、酒かすの香りが鼻に抜けていく感じ

玄海漬・髙田庄一朗社長:
かすに漬け込むことによって、かすの中の水分をドライフルーツが吸収して、カクテル風の味わいに

ーーなぜドライフルーツをかす漬けに?

玄海漬・髙田庄一朗社長:
かす漬け自体がなかなか馴染みがなくなってきていて、“かす漬け離れ”が起きている中で、何とかかす漬けに親しんでもらいたいというところで

保存食として親しまれてきたかす漬けは、購買層の高齢化やコメの消費量の減少に伴い、この30年で売り上げが半分以下になったという。

玄海漬・髙田庄一朗社長:
常温で日持ちがして、なおかつ若い女性から人気のある商品ができないかなと思っていたときに、たまたまドライフルーツが販売されている光景を見て。結構ドライフルーツが売れていたので、若い女性から年配の方まで。
ドライフルーツを使って(かす漬けが)できないか、まず商品化できないかなと思ったところですね

ご飯のお供とは別の形で楽しんでもらうことで、かす漬けのファンを増やすのが狙い。

まだ課題も…販路拡大のためSNSで発信

現在は通信販売を中心に、多い日で1日に10個ほど売れるそうだが、課題は販路。

玄海漬・髙田庄一朗社長:
どういった販路で売っていくか、課題ですよね。田舎で売っていてもなかなか広まらないというか、知られないので、とにかく知っていただくというのが課題ですよね

少しでも若い人の目に触れるようにと、ツイッターやインスタグラムなど、SNSを通じて毎日発信している。

玄海漬・髙田庄一朗社長:
新しいかす漬けを増やしながら、それを売り上げの半分ぐらいにして、(会社の)柱に育てあげていきたい

老舗漬物店が「将来は売り上げの柱に」と期待を寄せるドライフルーツのかす漬け。
デザートとして楽しむという新しい漬物を、皆さんも試してみては?

(サガテレビ)

サガテレビ
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