福岡県内で「サルの群れ」による被害が相次いで報告されている。一体なぜなのか。そこには意外な理由があった。

人里に群れで降りてくるサル

住宅の窓越しに威嚇する1匹のサル。
福岡・遠賀町で撮影された動画。窓に飛び乗り、今にも扉を開けそうな勢い。

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一方、大野城市の住宅では、親子のサルなのか5、6匹が悠々とくつろいでいる姿が撮影されている。我が物顔で目の前を横切るサルの姿も。

この家がサルの被害にあったのは7月20日。
住人の女性が夕方に帰ってきたところ、家の前に5、6匹がいたという。
目撃した女性は…

動画を撮影した森さん:
サルがいなくなったなと思ったときに、バタバタ家の中に子どもを入れて。サルはネットを遊び道具みたいな形で登ったり、ごろごろしたりとか。フェンスのところに行ったり来たり、座ったりとか

ひとしきり遊んだサル。撮影されていることを知ってか知らずか、次に狙ったのは家庭菜園だった。

動画を撮影した森さん:
そっちに植えていたトマトは食べて、スイカは手に持っていった。隣のトウモロコシとかも引きちぎってるんで、多分、力はあったんじゃないかと思う

サルは20分ほど居座ったあと、山の方向に姿を消した。

動画を撮影した森さん:
こわいです。子猿がいるので何かあったときに親ザルが攻撃してくるんじゃないかと

サル被害が前年に比べ急増

また、女子中学生がサル2、3匹に遭遇し、逃げようとしたところ追いかけられる被害もあった。
ほかにも、7月15日には、登校中の女子中学生が複数のサルに取り囲まれ、すねをひっかかれる被害にあった。

2020年に入って、サルに関する通報が増えている大野城市。
目撃されたのは市の南部にあたる、山に近い住宅街が中心となっている。

通報の件数も2019年は1年間で19件だったが、2020年はすでに80件に上っている。周辺の小学校はメールを配信し、登下校の際に気をつけるよう呼びかけているほど。

新型コロナの影響が背景に…

なぜ増えているのか、市の担当者に聞くと2020年ならではの意外な理由が…

大野城市 環境最終処分場対策課・大道和貴さん:
新型コロナウイルスの影響で、外出自粛とか休校とかで街に人が減ってきているのがひとつ原因として考えられるのかなと思います

そして、これまでとは違う特徴も…

大野城市 環境最終処分場対策課・大道和貴さん:
以前は1匹だけで出てきたりしていたんですが、ここ最近は複数で、かなり人慣れしているので、追い払っても意に介さないという感じ

1匹ではなく、なぜ複数なのか専門家に聞くと…

福岡市動物園・安河内清文さん:
1匹で出てくる場合は、大体はぐれたオスが多い。それが今年は群れに入って何匹か連れてきたという。クリがなってるし、カキとかそういったものが民家の近くにあるので食べに来たのかなと。(サルが)割と安全(な場所)だと思って来ている

新型コロナで変容した人々の行動。それがサルの生態にも影響しているのかもしれない。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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