熊本県は12月に行う大規模な防災訓練に、海上自衛隊の大型輸送艦が初めて参加すると発表した。大地震によって天草地域が孤立することを想定し、救助チームや物資の供給を海上から行えるかなどを検証する方針だ。
能登半島地震での課題『半島孤立』
熊本県は2024年の総合防災訓練について、10月5日に図上訓練を、12月19日に実動訓練を実施すると発表した。
この記事の画像(5枚)能登半島地震の発生や南海トラフ地震への警戒が強まる中、今回の訓練では『天草・水俣地域の孤立』をテーマに掲げ、海上自衛隊の大型輸送艦が初めて参加するという。
大型輸送艦は、天草郡苓北町の苓北火力発電所に整備した大型岸壁に接岸し、インフラ復旧に必要な緊急車両の陸揚げなどを行う。
また、大型輸送艦に搭載された『LCAC』と呼ばれる能登半島地震でも活用されたホバークラフト艇も使用。上天草市のビーチに上陸し、車両と人員を輸送する予定だ。
人員や物資を海上輸送し効果や課題を検証
熊本県では、大地震によって陸路が寸断された場合、救助チームや物資を海上から輸送することで、天草地域全体へ迅速に支援を供給できるとみて、効果や課題などを検証するとしている。
9月5日の会見で木村熊本県知事は「県単位の訓練では珍しく、本県の訓練では初めてです。能登半島地震が今回インパクトがあった。『半島孤立』という課題にどう向き合えるか、課題を抽出して一人でも多くの方の不安を除去できるようにしていきたい」と述べた。
(テレビ熊本)