長野県内で連日、クマの目撃が相次いでいる。松川村の住宅地では9月5日朝、女性2人が襲われ、いずれも顔の骨を折るなどの重傷を負った。その後、クマは駆除された。県内での人身被害は今年10人となった。
25分の間に2人の女性を襲う
アスファルトに残る足跡。サイズは23センチほど。
女性2人を襲ったクマのものとみられる。
この記事の画像(6枚)松川村では5日朝6時45分頃、自宅の敷地内で草取りをしていた67歳の女性がクマに襲われた。
その約25分後には寺の敷地内で洗濯をしていた83歳の女性が襲われた。
2人は松本市内の病院に搬送され、67歳の女性は鼻の骨を骨折、また、83歳女性も頬の骨を骨折するなど、いずれも重傷。
かなりの出血 かまれたような跡
67歳の女性に助けを求められた住民は、 「『クマに襲われました』ってインターホン鳴らしてパニック状態だった。『お家の庭先で草取りをしていたところ襲われた』と言っていました。かまれたような跡があるって救急隊員が。顔のあたりから血を流していて、かなりの出血量だったと思う」と話した。
その後、女性が襲われた場所から約1キロ離れた所でクマの足跡が見つかった。
まっすぐ田んぼの方へ続く足跡…。
クマが用水路でバシャバシャ
クマを目撃した人は「そこの水路まで行ったら、バシャバシャって音、振り向いたら(クマの)背中が見えて。コンクリートの升の中で背中だけ見えた」と当時を振り返る。
午後0時半頃、クマを用水路で発見、猟友会員により駆除された。体長1m30cmのオスだった。
長野県内では今年度、クマによる人身被害が9件10人となり、里での目撃は7月末までに744件。2023年の同じ時期より120件以上増えている。
長野県猟友会の茅野靖昌副会長は「もうしばらくすると山の木に実がなってくるが、今は餌がない時期。だから餌を探して里に出てきてしまう」と話す。
県は「出没注意報」を11月まで延長し、注意を呼びかけている。
※サムネイル画像は資料
(長野放送)