8月25日(日)、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われたスーパーフォーミュラ第5戦。
フジテレビの報道番組「FNN Live News α」でキャスターを務める今湊敬樹アナウンサーは、「スーパーフォーミュラ」をこよなく愛する1人のトップドライバーに会いに行った。
この記事の画像(11枚)「私が今回取材するのは、同じ茨城県出身のこのドライバーです」
2021年と2022年。2年連続でスーパーフォーミュラの年間チャンピオンに輝いたチーム無限の野尻智紀(のじりともき)、34歳。
今シーズンは開幕戦と第3戦で優勝。現在、ドライバーランキング首位を走っている。
野尻選手と今湊アナウンサーは同じ茨城県出身というが、実はもう一つ「意外な共通点」が初対面の挨拶で明らかになった。
今湊:「いばらき大使」の今湊です。よろしくお願いします。
野尻:「いばらき大使」の野尻と申します。よろしくお願いします。
「いばらき大使」とは、各界で活躍している茨城県出身者、あるいはゆかりのある人物に、茨城県の魅力や良さを広くPRしてもらうという茨城県が推し進める施策のひとつ。
そんな「いばらき大使」同士2人の対面インタビューがサーキットで実現した。
今湊:
今大会の思い、意気込みはどういう風に感じていますか。
野尻:
(サーキットがある栃木県)茂木町も茨城県と隣接している町なので、そう言った意味でも“地元”を感じられる唯一の大会ですね。
レーサーとしての活動の傍ら、「いばらき大使」として地元のPRにも貢献する野尻。
さらに自身のYouTubeチャンネルを開設するなど、SNSを積極的に活用。そこで日々、モータースポーツの魅力を発信しているのだ。
今湊:
トップドライバーとして(情報)発信しようという思いを感じますけれども。
野尻:
「やらないと」という思いがすごくあって。僕の10年下の選手がどんどん来るという中で、同じようなことをしてほしくないというか、同じような思いを持ってもらいたくない。
その「思い」を強くしたのは、野尻が2年連続王者に輝いた頃だった。
「言ってしまえば誰も興味を持たないので、勝とうが負けようが。もちろんレース好きの人たちは興味を持ってくれますよ。ただそれ以外の広がりというのが『ほぼゼロ』だったんですよ」
それは次世代のレーサーたちへの、野尻の強い思い。
「僕はプロになって10年ぐらいが経って、レーシングカートから始めたら5歳から始めたので30年弱くらいそれだけやってきたからこそ、このトップのフィールドは輝く必要があると思うし、我々トップが輝かないと下の子たちはやっている意味がなくなってしまいますから。ここからどんどん広げていきたいですね。『レースの熱』っていうのをね」
と、モータースポーツへの熱い思いを語った。
そして迎えたスーパーフォーミュラ第5戦、決勝レース当日。サーキットには野尻の地元、茨城県筑西市から約60人の応援団も駆けつけた。
王座争いにとっても重要なシーズン第5戦。野尻は予選4位かスタート。しかし出遅れてしまう。
残り13周、タイヤ交換を終えた時点で6番手まで順位を落としていたが、ここから野尻が魅せる。
「僕ら本当戦っているんですよね。ヘルメットを被ってコックピットの中でコンマ1秒、100分の1秒、1000分の1秒すら落とせないというところで、本当に戦っているので、そういう風に戦っているというのを踏まえて応援してくれると嬉しいですね」
野尻は6位から2台をオーバテイクし4位に浮上。残りは7周、表彰台まで届くか。
前方では野尻の後輩、トップを走るDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの太田格之進(25)と、同じチームの牧野任祐(27)がチームメイト同士で激しい優勝争い。
これが「ドラマ」を生み出す。
最終ラップ目前で、トップだった太田がマシントラブルでスピン、まさかのリタイヤ。チームメイトの牧野が今シーズン2度目の優勝を飾った。
最初にチェッカーフラッグを受けた者が最大の賛辞を受けるのがモータースポーツ。ただ、それだけでは割り切れないのもモータースポーツ。優勝した牧野からチームへの無線が、このスポーツの魅力を伝えていた。
「ごめんなさい。きょうは格之進のレースだったけど、アイツには申し訳ない。きょうはアイツが勝っていた」
後輩たちの熱いバトルが生んだ劇的なラストシーン。野尻は3位表彰台で、“地元レース”を終えた。
今湊:
見ていてレースの魅力というのも感じました。
野尻:
スーパーフォーミュラは元々面白い(レースだと)と思うんですよ。そこの面白さをいろいろな人に知ってもらいたいし、深くまで知れば知るほど、噛めば噛むほどスーパーフォーミュラは味が出てくるので、その辺を本当に知ってもらいたいですね。
熱いレーサーたちがサーキットで繰り広げる熱いドラマ、真剣勝負。
その熱、思いはきっと私たちに伝わり、心を震わされるに違いない。
(映像提供:JRP)
「MONDAY MOTOR SPORT」
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スーパーフォーミュラ2024
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