兵庫県の斎藤知事の告発文書をめぐり、また新たな疑惑。
告発した元局長の私的な情報が議員に漏れていた疑いが浮上。
県が元幹部への調査に乗り出した。
兵庫県 斎藤元彦知事:(幹部)一人一人に確認したら『ないです』ということでした。私も関与や指示はしていない。
29日朝、斎藤知事が記者に指摘されたのは「元局長の私的な情報が漏れていた疑い」についてだ。
■元局長は私的な資料について、公開方法などの配慮を求めていた

元西播磨県民局長が斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発し、県は「事実無根」としたものの、その後、疑惑の一部が事実だと判明した。
真偽を調査するための百条委員会が設置され、証人として出席が決まった元局長は、ことし7月、百条委員会側にある文書を提出していた。
「プライバシーに関わる資料については、貴委員会に開示されないか、適宜マスキングするなどの配慮をするよう要請されること」
疑惑と関係のない私的な資料について、公開方法などの配慮を求めていたのだ。
要請の直後、元局長は死亡。自殺とみられている。
■元局長の「プライベートな情報」が県議に漏洩

一連の事案をめぐり、29日、新たな疑惑が浮上した。
告発文の内部調査で元局長の公用パソコンなどを調べていた人事当局トップの総務部長(当時)ら知事の側近の幹部が、元局長が配慮を求めていた私的な情報を持ち出した疑いがあるというのだ。
私的な情報は、告発文とは関係ない元局長のプライベートなものだが、関係者によると、一部の県議にこの情報が漏洩していたという。
(Q知事の側近4名に元県民局長の私的情報の持ち出し・漏洩の疑い出ているが、事実か?)
兵庫県 斎藤元彦知事:私的文書を漏洩というのは私はないと思う。私自身がそういった情報漏洩を指示、または関与したことはありません。
県の指針では「職務上知りえた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職または停職とする」とされていて、県は外部の弁護士に調査を依頼する方針だ。
■日本維新の会県議団の幹事長「知事の証人尋問を見て判断したい」

斎藤知事への百条委員会の証人尋問は、30日行われる。
選挙で斎藤知事を推薦した日本維新の会は、不信任決議などの対応をとるかは、証人尋問での答弁や知事との面談も含め、総合的に判断したいとしている。
日本維新の会 藤田文武幹事長:知事が初めて百条委に出てこられるのは大きな出来事で、精査するのは判断の起点。答弁内容の一言一句だけで判断することはない。知事と面会していろいろ話を聞くというステップも踏むかもしれません。
藤田幹事長は今後の対応について、早ければ31日にも維新県議団と協議するとしている。
県議団の門幹事長は関西テレビの取材に対し、「先週の尋問でも明らかにパワハラだと言った人はいなかったし、辞めろという段階ではない。知事の証人尋問を見て判断したい」としている。
注目の中、斎藤知事は30日何を語るのか。
■百条委員会では斉藤知事が弁護士も同席できるように申請

30日に百条委員会で、斉藤知事の証人尋問が行われます。 テーマは「パワハラ疑惑」についてだ。
告発文や職員へのアンケートには、次のような証言や回答があった。
・エントランスまで20メートル歩かされたことで、激怒された。
・「エレベーターのボタンも押せないのか」と怒鳴られた。
・車が遅れそうになり、シートを蹴られた。
■知事は証人尋問に「弁護士同席」を申請 「事実を包み隠さず供述して」と菊地弁護士

30日の百条委員会の承認自問で、斉藤知事が弁護士も同席できるように申請したという新しい情報も入ってきた。
菊地幸夫弁護士:事実を包み隠さず供述してもらいたい。場面によっては、同席する弁護士に耳打ちして、どう答えたらいいかなっていうのを聞く場面もあると思いますけども、事実をまずしっかりと、話してもらいたいです。それから評価ですね。それがパワハラに該当するのかどうなのか。ここに上がってるものでも、十分パワハラに該当する可能性はあると思いますので、しっかり認識を偽りなく述べていただきたいと思います。
関西テレビ・神崎博報道デスク:これまで本人はあくまでも指導の範囲内であって、パワハラという認識はないという風に話していたので、その百条委員会で、新たに100パーセント認めるというのは、なかなか考えにくいかなと思うので、今まで通りの弁明を続けるんじゃないかと考えられますね。
これまで、しかるべきタイミングで話す説明責任を果たすと繰り返した知事だが、百条委員会で何を語るのか、その姿勢が問われている。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年8月29日放送)